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猿教祖の地雷を少々 ページ28

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「さてと、爆弾はどこにありますか?」


痛みに悶ている犯人に問いかける。


「貴方のような方なら、会場の外に仕掛ける等ということはしないでしょう。複数の爆弾がある線は薄そうですし…そうですね、例えばあのステージの上なら、主催者である夏油先輩が何度もあがりますし人目も引く。派手に驚かせて相手を脅威にさらすならもってこいですねぇ。」


この時の私の顔はどの悪人面にも負けないくらい悪い顔をしていたと思う。夏油先輩には負けると思うが。

わかりやすく動揺した犯人にため息を吐いた。こうも扱いやすい人間は搾取される側に落ちる。夏油先輩に金を搾り取られたのも納得だ。そんな奴が夏油先輩に脅しを仕掛けるなど分不相応、掌で転がされて堕ちる未来しか見えない。


「警察への連絡は完了してますよね?犯人は制圧しましたので、バリケードを壊して皆さん避難してください。爆弾はまだ解除していないので、此処は危険ですから。」
「は、はい!」


声を張り上げて、ボーイに必要事項を伝える。さっさと民間人を避難させて爆弾を解体しなければ。


「夏油先輩もどうぞ避難を。」
「私は君についているよ。大事な後輩をおいていけないだろう?」
「そう言って、高専時代五条先輩に絡まれてる私を見捨てたのはどこのどなたで?」
「う〜ん、そんなことあったかな?」
「しらばっくれるのもいい加減にしろ猿教祖。」
「A、その口閉じたほうがいいよ?」
「スミマセン」


ついつい口が滑って夏油先輩の地雷を踏み抜いてしまった。猿は地雷でしたねすみません、以後気をつけます。だからそのハイライトの消えた目でこっち見ないでください怖いです。

ヒールを鳴らしてステージへ上がる。設置するなら真ん中にある花束の中だろうな、と覗いてみればみつけました爆弾。思考回路がわかり易すぎて哀れだなぁと心で呟いた。

パーティーの来賓が会場外へ出ていくのを横目に、スマホを取り出す。電話をする相手は決まっていた。その人は、


「あ、もしもし兄さん?」
「仕事中になんだ。」


次男の方の兄である。彼は手先が器用で爆弾処理はお手の物だ。機械系統の話は兄の出番。


「ごめん、ちょっと爆弾解体したいからやり方教えて?」
「「「は?」」」


電話越しの声と背後の声が重なって聞こえた。勿論、後ろにいたのは安室さんとコナンくんで。私を信じられないと言った顔で見ている。

いや、私だって爆弾解体くらいやり方教えてもらえばできますが?

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作者名:ななを | 作成日時:2022年6月7日 21時

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