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恐怖のエンカウント率 ページ24

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「えぇ、朱川征一郎は私の叔父にあたりますが…」
「やっぱり!雰囲気とか目元がそっくりで、名字も一緒だったので。」


まぁ、親戚が集まるときには毎度と言っていいほど、叔父と似てるね〜と誰かには言われるのだ。自覚はなかったのだが、客観的に見たら私と叔父は似ているらしい。


「叔父と似ていることはよく言われるんです。えぇと、鈴木さんはひょっとして鈴木財閥のご令嬢でしたりしますか?」
「はい、今日は次郎吉おじ様の代理で来ました!」


鈴木という名字、そして全身高級ブランドで揃えられた衣服、そしてこの場に招待されているメンバーからして鈴木財閥の人間一択しかなかった。今日招待されている来賓の名前は頭に入っているから、直ぐにわかったのだが…同伴者として、まさか毛利さんとコナンくんを連れてくるとは。

最後の一口を飲もうとグラスを揺らした時、コナンくんが声を上げた。


「お姉さんはこのパーティーの主催者さんに招待されたって言ってたけど、主催者さんとはどういう関係なの?」
「夏油先輩は学生時の先輩でね、私が朱川家の人間だから招待したのかも。」
「そうなんだ!お姉さんはどんな学校に通ってたの?」
「今、私が教師を務めてる学校だよ。宗教系の高専。」
「どんなことを勉強するの?」
「宗教系かな、仏教とか。普通の学校と同じことも学ぶけど。」
「高専って課外授業が多いの?」
「んー、それは学校によるけど、私の学校は多いかな。」


なんだこの怒涛の質問攻めは。初対面のときより聞いてくるじゃん。目的が見え見えで、普通に怖い。そして毛利さん達は子供のかわいい質問だと思っているのか、にこやかに聞いている。

コナンくんの眼鏡が、光の反射で怪しく光った。


「お姉さんが飲んでるのってお酒だよね。なんていうお酒なの?」
「ルシアンっていうお酒だよ。」

「ルシアンといえば、レディ・キラーとして有名なカクテルですね。」


は、_____妙に聞いたことがある声が後ろで発せられた。まて、その金髪頭、嘘だろ貴様、またかよ!


「度数の強いアルコールですが、カカオの甘みで味が飲みやすくなるんですよね。ねぇ、朱川さん。」
「ア、はい。」


なんで招待客名簿にいないはずの貴方がいるんですか、安室さん。


「安室さん!奇遇ですね!今日は探偵のお仕事ですか?」
「えぇ、ですが大きな声では言えないので、皆さん内緒にしていただけますか?」


勿論です!と言う鈴木さんを横目に私はまたもや絶望した。

塩顔イケメンも見慣れる。→←偶然とは最早運命に近い。



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作者名:ななを | 作成日時:2022年6月7日 21時

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