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どうやらはじめましてではなく。 ページ19

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真横から飛んできた一人の人間に、私はぎょっとした。普段表情に変化がない甚爾さんでさえも目を見開いている。その人はサングラスをしていた男性で、一般人とは思えない身体能力だ。

リアルで起こった飛び蹴りに口をあんぐり開けていると、もう一人の強盗犯が異変に気付いたのかこちらを向いた。仲間が倒れていることを理解した瞬間、バァン、とライフルを撃つ。

焦っていたのだろう、構え方がなっていなかった為、放たれた銃弾は窓ガラスを突き破った。もう一度発砲しようとしていた犯人に、サングラスの男性と襟足さんが飛びかかる。一瞬で相手を組み敷いてしまった。

あっという間に強盗犯が鎮圧され、ほっと息を吐いた瞬間、飛び蹴りを食らって倒れていた犯人が体を起こした。そして銃を手に取り、セーフティを外して引き金をひこうとしたところで、


「動きがまるで素人だ、そんなんでよく銃を扱おうと思ったな。」


甚爾さんが拳銃を蹴り上げ、自分の手に持ち帰ると犯人の額に銃口を押し付けた。犯人は恐怖を感じているのか、唇がはくはくと震えている。


「はいはい、お兄さんストップね。拳銃から手を離して、犯人はこっちが拘束しとくから。」


襟足さんがそう声をかけると、甚爾さんは大人しくそれに従った。私はやりすぎた甚爾さんを少し小突いて、襟足さん達を見つめる。

ふと、犯人を拘束することに慣れているように見えるのは気の所為だろうか、と引っ掛かった。
まるで警察官みたい、とポツリ呟けば「お、大正解。」と返事が返ってきた。


「俺達、警察なんだ。仲間には連絡したから、もうすぐ応援がくると思うよ。」
「そうなんですね。まさか、本当に警察官だとは思わなくて…特に隣の方とか。」
「あ゛?」


サングラスの男性が不機嫌そうにこちらを見た。どっちかっていったらヤクザ方面の人に見えるなぁ、と本人には言わないがそう思っていた。

すると、「あ、」と思い出したように襟足さんが声を上げる。


「強盗に気を取られすぎてたわ。俺、お兄さんに聞きたいことがあったんだ。」
「俺にか?」
「お兄さん、俺と一回会ったことない?」


これはナンパか…?私は目の前で起こっている光景にそう思った。


「生憎、男の顔を覚えるのは得意じゃなくてだな。」
「…マンションから男を抱えて飛び降りた経験は?」
「「…は?」」


襟足さんの言葉にサングラスさんと声が揃う。


「あぁ、もしかしてお前あん時の野郎か?」


面識あるの!?

マンションからダイブ。→←コンビニ強盗ハロ。



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作者名:ななを | 作成日時:2022年6月7日 21時

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