三百四十八話＊ ページ5
サンジの言う懐かしい顔とは、タコの魚人はっちゃんことハチだった。
最初に会ったのは東の海、別れたのは忘れもしない二年前の麦わらの一味瓦解の時。
そのはっちゃんがなんと傷だらけで海岸に流れ着いたとのことだ。
まだ様子は見てないが、チョッパーが目を離していることを見るに命に別状はないのだろうけど、また不憫な目にあって……。いったい何があったのだろうか。
「お前たち！いい加減にしろ！もうすぐ王子達が此処に来るッ！大人しく……！」
「じゃあ早く森に行かねぇとな！ぃよっし！チョッパー！サンジ！ハチも連れてこい！一緒に行こう！海の森！」
「はぁぁっ？？なんだよ急に！」
「急がねーと弱虫が連れてかれる！鮫にのれぇ！」
「待てって！医療道具とハチ連れてくるから！」
驚きながらもテキパキと広げていた道具一式をバックパックにしまい込み、ハチを担いでメガロにまたがるチョッパー。
そして状況説明を終えてからぱたりと黙り込んでいるサンジは姫の美しさを前に完全に放心している。
ので、私が担いでいるってわけ。
「もう口の中に隠れる必要もないからネ、姫はひれにつかまって落ちないようにね」
「は、はい。気をつけます」
こうして固まりサンジと傷だらけのハチをメガロに乗せて海の森へと泳いでいく。
行先案内人はハチが買って出てくれた。
「にゅぅ……〜。このまま、まっすぐだ。」
「ごめんね、ハチ。まだ痛いだろうに無理させて」
「にゅうー、いや、こっちこそ助かった……。死ぬかと思ったぞ」
「！ルフィ様、A様！あそこに！」
姫が声を上げる。
シャボンに包まれた淡い色のサンゴに囲われた広場がそこにあった。
あれが、『海の森』。
「きれーーだなーー！」
「ここなら、ゆっくり治療できるかな」
「んぅ！！あうっ！ルフィじゃねぇか！すげぇピンナップガール連れて如何したよおぃ！」
到着して間もなく、奥からフランキーが姿を見せる。
「フランキー！サニーも無事だったんだね！」
「紹介するよ、こいつ弱虫！」
「おぉそうか！しっかりしなきゃなァ！お姉ちゃん！」
「ハイ……すみません、しらほしと、申します」
フランキー曰く、ロビンさんも此処に居るらしく、今はサンゴの奥で何かしら調べ物をしているらしい。そしてフランキーはというと、なんとフランキーの師匠のトムさんの家族さんと一緒にサニーのメンテナンス作業をしていたのだと。
「おぉ！！ルフィ君！Aさん！！」
「「ジンベエ！！」」
私とルフィ君が声を揃えて同じ方向を見る。
青い肌に鋭い牙の強面が私たちに手を振っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか？ (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか？ (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか？何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シーデン | 作成日時：2017年8月9日 12時
