三百八十一話＊ ページ38
サニーの動きを止めたのは、大きなしらほし姫の手だった。
ひっくり返りそうになるのを何とかこらえ、一時帆をたたむ。
「い、今はわたくし外の世界へ行くことは……できないです……。で、でもっ！いつ、いつの日か！また、来られたなら！一緒に外へ、言ってくれますか……？！」
所々つまづきながらも、精一杯自分を晒し、希望を口にした姫。
拒む理由などありはしない。
私はいの一番に姫に近づき、小指を立てた。
「約束だね。いいこと教えてやるよ姫。こーして小指同士を重ねっとねヒトはその約束を破れなくなるのサ♪」
「ほ、本当ですか？」
「さあてね。それはまた今度会ったときに答え合わせと行こうじゃあないのよサ」
私に続き、ウソップ君やチョッパー、ナミちゃんにルフィ君。皆が姫と再開の誓いをたてる。
「ほれほれ泣かないの。可愛い顔で見送ってくんなきゃあいやだぜ？」
「は、はい……っ！」
顔を海水で洗い、びしょびしょに濡れながらも、姫は私達を見送ってくれる。
その視線を受け取り、サニーは再び動き出す。
想像以上の障壁や、気味の悪い怪物と色々あった魚人島だが、それは単なる入り口。
これからはこんな難敵がうじゃうじゃいるんだ、ワクワクが止まんない。
＊＊＊
いつ振りかという海中の旅。
「しゅあぁ」
「んぉ、アサギどったい」
私の胸元でアサギが嘶く。
感知センサは海中でも健在だ、だが……この暗黒では……敵影なんか全くわっかんないや。
「フランキー、乳光らせて―。アサギが注意しろってさー」
「アウッ！A、これぁ『フランキーニップルライト』ってんだぜ。イカす名前があんだからよ！」
私の略称にケチをつけつつも、しっかりと指示に従ってくれるフランキー。
その光に照らされた姿に私とナミちゃんは目をくぎ付けにされた。
——がたたたっ！
誰よりも早くその姿に近づく人影。
「ら、らっ！ラブーーーーーン！！！！？」
「ーーーーォォォォ」
ブルックの叫びに驚いたのか低く唸り、少しサニーから離れていくクジラさん。
「あ、ま、待って！待ってくださいラブーン！私ですっ！ほらこの頭！覚えてくれてますか！？」
「―————ォォォ！！」
離れていく巨体を眺め、ブルックの体から力が抜けていく。
「ブルック、よく見て」
「ぇ。何を……」
ロビンさんの言葉に、ブルックは再び顔を上げる。
そこには何頭ものクジラ……ラブーンと同じ種族『アイランドクジラ』が群れを成し泳いでいた。
まさに壮観。
彼らの動きで海流が作られていた。
「多分、ラブーンと同じ種族の」
「……家族！」
「かもしれないってことね」
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シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか？ (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか？ (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか？何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年8月9日 12時
