三百七十四話＊ ページ31
「全力を出す。王子達がアサギと一緒に住民の移動をしてくれている今が、最初で最後のチャンスだ。こんなだあれもいない時に限って切り札ってのは切らなくちゃあいけなくなる。もっとカッコつけてやりたかったんだけれどネ」
女が呟くと、その場には濃密な蒸気が漂い始めた。
「名付けて、【
指を銃の形にして、標的……未だ沈黙している巨大生物に向けて固定する。
「はぁああっ！！」
＊＊＊＊
場所は変わりギョンコルドの広場。
その場所は、もはや先ほどまでの地形の面影を一切残していない。
二人の怪物がぶつかり合い、更地と呼んでも過言ではない程にまで破壊されていた。
「ーーーーー！！！」
不気味な雄叫びを上げ、ホーディは立ち上がる。
対するルフィも全く退くことなく叩き潰してかかる。
幾度となく繰り返し、互いの限界も見えてきた頃合いだった。
「これで決めてやる。ギア……３……！！！」
この二年の修行で、ギアを上げる際の初動……つまり空気を骨や体に入れ込む溜めの瞬間。絶対的な隙は極限まで減らされていた。
だが、野生の本能剥き出しの怪物は、その刹那を逃さない。
「がぁあああばああ！！」
ルフィの懐に入り込み、牙を剝く。
魚人としてのポテンシャルをフルに生かしての攻撃に、ルフィの体勢が崩れた。
深々とルフィの横腹にホーディの牙が突き刺さる。
血が流れ出るのを全く厭わずルフィは拳を振るった。
「ふんんーー！！！」
「ーーー！」
ルフィの横腹に齧り付いているホーディは受け身をとることが出来ず、顔面に拳を食らい飛んでいく。
「ギア……３！！！」
飛んでいくホーディが射程から外れる前に途中段階だったギアを上げきり、技を放つ。
決めてかかる気だ。
「エレファント・ガトリングぅぅぅっ！！！！！」
超広範囲の拳の雨が、剥き出しのホーディに降り注ぐ。
決着の時がくる。
＊＊＊
「着弾、完了。後はこの攻撃が効いてくれるかどうか……」
魔法陣のようなものを空中に描き、次弾の準備を整える女。
限界ギリギリまで高めた出力で放った一撃で仕留められると思うほど、女は自惚れてはいなかった。
女が放ったのは卵型の小さな蒸気の塊。
生きている生物に対してのみ絶対的な殺傷能力を誇るそれは、瞬く間に巨大生物の体に潜り込む。
「蟹だけで死んでくれれば上々。次弾の準備は出来ているが……なるたけ使いたくない手だからね……」
『蟹』の名を冠した蒸気の塊。
その真骨頂はここからである。
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シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか？ (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか？ (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか？何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年8月9日 12時
