三百六十七話＊ ページ24
海と魚人島を隔てるシャボンを大きな木屑が圧迫していく。
そこからまた大きな人影が落ちてくる。
「レッケン船長〜！おれがおっこっちまったら〜！船を止めてくれ〜！」
大きな影の持ち主がどんどん近づいてくる船に向かって手をふっている。
こいつ、見覚えがあると思ったら海底で出くわした巨人と魚人のハーフクンじゃあないか。
「バホホ！ワダツミィ〜〜！お前を助けることはもう不ギャ能！この船はこのオレサマの呪いの力でこの魚人島に激突する！伝説の船『ノア』と共にィ、しらほしの死に供えられる生け贄となれェ！！」
聞き覚えのある声が船から聞こえる。
成程姫を狙ってたあのサイコ野郎の力であの船は動いているらしい。
……それにしても、仮にも仲間だったんだろうに。ワダツミと呼ばれたハーフクンが裏切られた事実を信じられず大泣きしてしまっている。いっそ哀れだ。
「まさかあれ迄も投げたと！？」
ジンベエが誰よりも早く現状に気づき戦慄する。
なんだ、あれが砲台がもりもり積まれた戦艦ならいざ知らず、ただの木製の巨大船なだけだ。
壊してしまえばただの木片になるだけだろう？
「あれは、斧や手紙等とは訳が違う……ッ！！」
訳、ね。
どうやらナニかがあの船にはあるらしい。
成程どうして、敵が弱いからと言って楽に済ませてはくれないようだ。
「しらほし姫ぇッ！」
「何！？？しらほしが消えたァ！？」
ジンベエが姫のもとに駆け寄ると、ジンベエの手を振り切り上……即ち船の方へと向かっていく。
敵が自分を狙っていて、そしてこのままであればここに存在するすべてが巻き添えになると理解しての行動だろうが、とても早い。全く迷いがない。
その献身はとても尊敬するが、褒められた行為ではないな。
私ぁその自己犠牲ってなぁ嫌いでネ。
訳など知ったことかと白を切るとしましょうや。
「止めてくれA！気付いとるじゃろう、あれは壊してはならんもんなんじゃ！」
皆が混乱する中、私は隙を見てアレを壊そうと試みるがジンベエが目敏く気付いた。
しぶしぶ私は腕を下ろすが、これからどうするか……。
正直私の拙いおつむでは解決策なぞ浮かばないぞう。
「わたくしなら、こちらです！！」
私の眼が離れている間にノアのすぐ横に移動し、これ以上島のシャボンにダメージが入らないようにする姫。
すこし、シャボンに対する圧力が弱まる。
オーケィ……この船は姫に一任するしかなさそうだ。
「しらほし！なんであんなとこに！」
「すまん……！姫一人に…！」
姫を狙うノアが、徐々に浮上して姫の居る方向に向き直す。
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シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか？ (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか？ (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか？何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年8月9日 12時
