三百六十五話＊ ページ22
徐々に姫を包むするめちゃんの触手に力が入る。
「くっ…くるしいです…！するめ様…っ」
「――――！」
一瞬、力が抜けてスキマが生まれる。
ホーディはその様子に不機嫌そうに声を荒げた。
「はぁ……！お前らは伝説の種だ、死体でも高く売れるだろうぜ。お前もそんなに兄弟と会いたかねぇだろうっっ！！」
再び触手に力が籠められる。
言葉を放つことはないが、するめちゃんの感情が痛い程解る。
……痛いなぁ、辛いなぁ。
待っとけよ、アイツ今殺してやるから。
片腕を掲げ、蒸気の塊を作りだす。
圧縮し、凝縮し、一点にだけ集中し放つ必殺の技の準備。
技名すらないあいつを殺すためだけの殺意の塊。
「ッ！打水！！！」
殺気を感じ取ったのかホーディが水滴を打ち込んできて蒸気の圧縮を止めた。
別にどうという事はない、もう一度、当たるまでアイツが死ぬまでやるだけだ。
「スルメ、A！！」
「―――っ」
「ルフィ君。」
ルフィ君の声を聞いて、するめちゃんの足と私の片腕から力が抜ける。
圧縮されていた蒸気が霧散した。
「ちょっとまってくれ、アイツはおれが殴らなきゃなんねぇ。だからさ、するめ」
「―――」
目を尖らせて、ルフィ君をきつく睨みつけるスルメちゃん。
「お前の兄弟、おれに守らせてくれよ。」
「――!?」
「心配すんな、Aとおれは一回兄弟救ってんだ！」
心底驚いた表情を見せたスルメちゃんは、少しの間をおいて姫を縛り付ける姿勢をとっていた足を、元の姫を守る姿勢に戻す。
私もルフィ君の顔を見て、息を吐き煙草をくわえなおした。
ったくさぁ、そんな笑顔で言われたら手出しできんでしょうが。
その様子を見たルフィ君は、安心したように前に向き直し、ホーディにどんどん近づいていく。
「おのれ麦わらァァァァ！！！」
「船長の元には行かせんっヒ！！」
そんなルフィ君を、武装を施した幹部二人が狙う。
一瞬援護しようとした私だが、既に動き出した二つの影を見て止まる。
「「…」」
「ムヒッ！？」「ぐえっ！」
どこからともなく現れた、ゾロとサンジが幹部二人を押しのけ道を作る。
その道をルフィ君はまるでもとからあった道の様に、さも当然の様に進んでいく。言葉を一切放たずに。
「！」
ルフィ君はある程度ホーディに近づくと、その歩みを一瞬止めて、刹那姿を消す。
「ッ！？」
一瞬でホーディの目の前に移動したルフィ君は、ホーディの顎を蹴り上げ、叫ぶ。
「なんか燃えてきた！！！」
いや君、さっき殴る云うとったやんか。蹴ってどうするよ。
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シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか？ (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか？ (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか？何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年8月9日 12時
