三百六十三話＊ ページ20
硝煙を掻い潜りどっしりとした戦車が姿を現す。
その乗り込み口にはチョッパーが敬礼をしてうれし涙を流している。
心底嬉しそうで何よりだ。
「ぎゃぁあ〜〜〜！」
「ぎょえ〜〜〜！」
「よえぇな全く……！！」
反対側のゾロはすこぶる不機嫌だけれども。
唯一相手になりそうな幹部もまだ出てきそうにないし、何より総大将のホーディがルフィ君に一撃食らわされてそのままだんまりなもんだから敵の戦意も目に見えてなくなってきている。
賊を馬鹿にしているのか、喧嘩振ったのは己等だろうが。
「麦わらァァァ！！！」
いままでどっしりと構えていたホーディが、やっと動き出した。
遅い、お前がもっと賢ければ何かは違ったかもな。
「クラーケン！出てこいッ！！」
挙句の果てはクラーケンを召喚するという愚行。
力もなければ理想もない、そして何より『眼』がない。
彼我の距離を測る目を、此奴は持ってないのだ。
「！」
「――――」
いかにもしぶしぶといった感じでホーディに従い広場に出たクラーケンことスルメちゃん。その大きなお目めは私たちをとらえて、きらきらと輝く。
「スルメーー！おれだよ〜！乗せてくれ〜〜！」
「―――♪」
ルフィ君の頼みを快く聞いてくれたスルメちゃん、いい笑顔で新魚人海賊団の戦力を削っていく。
「いいかスルメ！お前はここでよわほしを守るんだ！」
「どうぞよろしくお願いします、するめ様……！」
「――――♪」
スルメちゃんとゾロの広範囲攻撃に加え、チョッパーたちの砲撃を受けて、広場にはだいぶん広く感じられるようになってきた。あれほどひしめいていた魚人たちは、面白い程に減っていって、もはや最初の見る影はない。
「あれ！？みんなおれ達を避けていくでありますぞ！？…！さては、わが軍に恐れをなしたな！よ〜し！前進だぁ〜！」
敬礼したままのポーズでノリノリ気分で敵陣を進んでいくチョッパー隊長。
可愛い。
「え！？」
「かかったァ！」
「キャキャッ！ザマァ見ろ！！」
地中から顔を出した小柄の魚人がブラキオタンクを地中に落とす。
急に姿を消したブラキオタンクを探して、鉄の怪物クロサイちゃんが駆けつける。
「オイ何事だっ！チョッパー！ウソップ！！ってしまったァ！！落とし穴だァ〜〜！」
「アホかあいつッ！！」
流れるように厄介な鋼鉄機械をまとめて処理できて上機嫌な魚人たち。
それが深さ数千メートルというのならいざ知らず、数十メートルのモノなのだから意味ないとおもうのだけれど。
「クソぉ！甞めやがって、本気出してやる、変態だァァ！！」
「もう変態だろ！？」
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シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか？ (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか？ (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか？何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年8月9日 12時
