三百五十七話* ページ14
ジンベエの言葉が重くのしかかる。
彼と魚人の英雄の過去を聞いた今だからこそ、その言葉の意味が痛い程理解できてしまう。
私は差別されてきた魚人を可哀想とは思わないし、そんな傲慢なことは許されるべきではないと思っているが、皆はどうだろうか。
一応みんなの意見は聞く耳は持つつもりだが、話し合いで解決出来ればいいのだが。
「とは言うがよぉ、ジンベエ。捕まった仲間を助けるのは当然の事、このまま放っておけば魚人島もホーディの支配下に落ちる。この島にゃおれ達のダチが何人もいるんだ……」
「…」「…」
サンジの話を皆黙って聞いている。
「おいハチ、お前さっき、ホーディは人間と仲良くしようとする魚人にまで手をかけるって、自分の傷口を撫でながら言ったよな」
「……!」
サンジの言葉にハチがばつが悪そうに顔をしかめる。
その様子はサンジの言葉は正解だと、言外に伝えた。
「お前、おれ達の味方して、あいつらにやられたんだろ……!」
「はっちんそうなの!?ホーディ達にやられたの!??」
「………ニュゥ〜…そ、それは…」
目を泳がせて、口ごもるハチ、見え見えのごまかし。
槍、弓矢、斧、数々の武器が刺さっていたことを考えると、複数人がかりで滅多打ちにされたか、能力者……あのサイコパス告白野郎に狙われたか。
どちらにせよ、中身のない殺意だ。
同志に、憧れの対象に、憧憬に唾を吐き、自身に何が残るのか。
「ジンベエ。ルフィにとっちゃあ、ここがお前の国だってことも理由の一つだろう。……おれ達には、戦う理由がある!!!!」
あぁーかっこいい。家の料理人はなんてかっこいいのかしら。
「なぜならケ〜〜〜イミーちゃんもいるしぃ〜♡し〜〜らほしちゃんもいるしぃ〜♡」
あぁー、いやらしい。家の料理人はなんていやらしいのかしら。
さっきの『戦う理由がある』だけで止めておけばただのハンサムだったのに、蛇足のせいで頭に『残念な』がついちゃうぜ?
「そこどけよジンベエ!!おれは行くったら行くんだ!!!」
「いや行かせん!わしに任せい!!」
「この…!じゃあお前をブッ飛ばしていくだけだァ!!!」
「ちょっとやめて二人共!」
またケンカを始めようとする二人を、また私が止める。
「ルフィ君。私の話を聞きなさい。」
「…なんだ」
よし、まずは止まってくれてよかった。
「私達は海賊だ、自由だ。だから思うままに行動するっていうやり方ってえのは非常に好感触だし好きだ。でも、自由にするのは君の自由だが、私は禍根は残したくない。少しは話し合おうじゃあないか。」
「?」
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シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか? (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか? (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか?何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シーデン | 作成日時:2017年8月9日 12時