三百四十五話＊ ページ2
私の提案に驚きを隠せない姫。
当然、自分から出ていくなんて発想は生まれてこなかったのだろう。
「んはー、喰った喰った！じゃあ行くか！散歩！」
「お、お散歩、で、ございますか？」
「あぁ！行きてぇとこがあんだろ？じゃあ行こうっ！」
ルフィ君が強引に姫の手を引き、私はそれについていく。
さて、刃物が飛んでくる楽しい楽しいお散歩の始まりだ。
さてルフィ君、君はどうやって城を脱出する気かね。
こんなにビッグなカワイ子ちゃんを引き連れて城門なんて出れるはずもないぜ。
「−！」
「鮫だ」
廊下でばったりと赤いシャツを着た大きな鮫と出会う。
人懐っこそうな瞳と服、恐ろしい鮫の歯を併せ持つ何とも絶妙な雰囲気を醸し出している。
その鮫を見つめ、ルフィ君は立ち止まった。
あぁーー。この子また何か面白いことを思いついたなぁ。
顔でわかる、すっごいいい顔してるよ。
＊＊＊
「あ、あの、ルフィ様、A様……。わたくし、大丈夫ですか……？」
「これでだいじょーーぶ！よし、行けェ！鮫ぇ！」
「−−−−ぉぉ！！」
私はびっくりして言葉を失った。
まさかしらほし姫と同じような反応を私がすることになろうとは思わなかったが、こればっかりはどうしようもないだろう。
ルフィ君が何をしでかしたのかというと、姫をかがませて大きな鮫の口に放り込んだのだ。
それをやろうとするルフィ君もルフィ君だが、実際にできる鮫も鮫だ。
どうやらこの鮫、ただの生き物ではないらしい。
「で、どーやって、何処に行くんだっけ？」
「海の森ってぇとこ、とりあえずは行き方がわからないから人に聞きに町に繰り出そう」
鮫の口をげしげしと蹴って無理やり閉じさせて姫を隠したルフィ君は、目的地を確認する。
姫が行きたいと言っていた森……亡き母君である乙姫王妃の石碑がある『海の森』。
そ子までの道は残念ながら覚えてないんだよなぁ。そういう細かいところは本当に記憶がないから困ったもんだ。
「そっか、じゃあ街に行くぞぉ！」
「−−−−ぉぉぼぅぉ―」
バタバタと苦しそうに尾ひれをもたつかせながら、シャボンを使い空中を泳いでいく鮫。
「ごめんねー鮫ちゃん。ちょっとの我慢だからサ」
と言いつつ私のインビシブルは使わない。
何故なら今の方が面白そうだから。
是非もナイネ。
「しゅぅあ、ぅるる」
私の感情を見透かしたようなアサギが、胸元から首を出して何かを伝える。
「いた、いはいいはい」
口元を噛み、引っ張られて少し涙目ぎみな私。
首を振り、下を視ろとジェスチャー。
成程、何かピット器官で感じ取ったのね。
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シーデン(プロフ) - Yodukiさん» コメント、有難うございます。只今作品全体の添削を行っておりますゆえ、添削前と後で齟齬が発生してしまっております。随時更新していきますので、何卒ご容赦下さい。尚、添削後のストーリーでは、アサギを要所要所で登場させる予定です。 (2019年10月17日 8時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
Yoduki(プロフ) - アサギ(蛇)出てこないですか？ (2019年10月15日 13時) (レス) id: 64cce11da8 (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» 了解致しました。続編のその9にて、夢主様に関する事柄を多く取り上げ、記載させていただきます。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - シーデンさん» でしたら、副船長ちゃんの容貌を詳しく載せてくださいませんでしょうか？ (2017年12月2日 21時) (レス) id: b51887888b (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 黒音さん» ご閲覧、有難う御座います。『イメージ画』是非ともお願いしたいのですが、私が何かアクションを起こす必要がありますか？何分こういったことは初めてですので、ご教授お願いします (2017年11月29日 16時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年8月9日 12時
