二百九十二話＊ ページ47
馬鹿の一つ覚えのようで気が引けるが、この技が一番使い勝手がいいし、殺傷能力が高いのだから仕方ない。
爆散した溶岩の間を縫って、赤犬めがけて槍を投げる。
赤犬はやはり次の攻撃の予備動作に入っていた。
ダイヤルを使っていない状態ゆえに、威力は落ちるが隙をついた一撃だ。
無事で済むことはないだろう。
「大噴火ァァァ！！！」
私が放った槍を飲み込んで、赤犬が生み出した溶岩は私に襲いかかる。
力の差ってレベルじゃなくないか？！
もうインパクトダイヤルもない。私の蒸気ではこの溶岩を穿つ事は叶わない。
お手上げ、認めよう。今現状ではお前の勝ちだ……！
「はぁぁぁぁっ！」
風が吹き荒れて、私の髪を乱す。
思わず目を瞑った。
「これ以上、エースも、エースの家族も！傷つけさせねぇ！オレが相手だよい！」
「二番隊隊長、不死鳥マルコ……！！」
蒼炎が揺らめき、溶岩をかき消した。
自身の体が焼き尽くされる前に、マルコは回復を行っていた。
ってかさ、いくらマルコが目の前にいるからってさっきまで戦ってた相手である私を無視するってひどくない？
「私を忘れないでよ！」
背後に回り、後ろから蒸気の刃で赤犬を貫く。
その傷口から赤い何かがドクドクと流れてくる。
一瞬、血かと思ったがやはりマグマだった。そう簡単にはいかないよね〜…！
「鬱陶しいのォ……！」
背中に突き刺さる蒸気を引き抜いて、こちらを睨む赤犬。
一じゃあお前にかなわない。でも、他力本願こそ私の真骨頂。
此処にあまねく力大凡を束ねたら、お前にも届く。お前を、止められる！
「ここからが、正念場だ！」
「此処から一歩たりとも、進ませねぇよい！」
＊＊＊
赤犬に背を向け、ルフィとエースを抱えて逃げるジンベエ。
「放せ！！おい！Aはまだ戦ってんだ！おれだって……！！」
叫ぶルフィだが、その言葉はしりすぼみになっている。
体力の限界であるという事の何よりの証左だ。
「ルフィ君、お前さんはもうとうに限界を超えとる……あとは他の者に任せい！」
暴れるルフィを押さえつけ、ジンベエは向かってくる将校を躱す。
今、ジンベエは左脇にルフィ。右脇にエースを抱えているのだが、その右側……つまりエースが抱えられているところから、真っ赤な血がだらだらと流れている。
赤犬に穿たれた横腹から、鮮血がだらだらと止めどなく流れ続けているのだ。
「……」
もはやエースに意識はない。
あと少しすれば出血多量で命を落とすことになることは、火を見るよりも明らかだ。
「暫しの辛抱じゃ！待ってくれ……！」
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シーデン(プロフ) - あかりさん、有難うございます、修正いたしました…。わぁ…恥ずかし…何故気づかなかったのか…。二度は無いよう、見直しを心がけます。ご指摘、誠に有難うございました。 (2017年6月10日 16時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - これだと、武装色と見聞色はブルックが1番強い事になってます (2017年6月10日 16時) (レス) id: 52ddd1b5fc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 正しくは、1<2<3の様に広がっている方が大きくなります (2017年6月10日 16時) (レス) id: 52ddd1b5fc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - すいません、不等号の向きが逆になってます！ (2017年6月10日 16時) (レス) id: 52ddd1b5fc (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 正実さん、ご指摘誠にありがとうございます。わたくしの注意不足です、申し訳ございません。ご指摘頂いたところは修正いたしました。 (2017年5月2日 17時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年4月12日 15時
