二百九十一話＊ ページ46
「ジンベエ、君は私を抱えてくれ……。ルフィ君、エースと一緒に逃げよう。この戦争、これにて幕引きだ……」
右腕の疼くような痛みに耐えながら、私はルフィ君たちに指示を出す。
早くしないとあの赤犬め、片目をつぶしたってのに、まったく止まる気配がない。
ホントに人間かお前ェ！
「幕引きじゃと……？おどれら全員、皆殺しじゃあ言うとろうがぃ！！」
「火拳−−−！！」
跳んできた溶岩と、エースの炎の拳がぶつかる。
「海賊王……ロジャーの息子ォ！！」
「おれの親父は白髭だ。おれは！大海賊『白ひげ』の息子だぁぁ！！！」
炎とマグマのぶつかり合い。
当然負けるのはエースの方だ、文字通り火力が違う。
「ぐぅうっ……」
「ロギアじゃあ言うて、油断しちょりゃあせんかァ？」
腕を焼かれて蹲るエース。
そんなエースのネックレスを掴み、持ち上げる赤犬。
空気が抜けるような音がエースの口から洩れる。
「ぅらぁ！！」
「っ！！」
血の赤。
エースの顔面の三分の一ぐらいが焼けただれる。
「ふんぬぁぁっ！」
「――——っっ！！」
私の耳に、赤犬の怒号とエースの声にならない悲鳴が同時に届く。
「エーーーーースーーーーーー！！」
少し遅れてルフィ君の叫び。
ジンベエも私を抱えたまま固まっている。
少しの間、この世の時間が止まったように感じた。
「ふんっ」
「―ぁぁっ」
地面に投げ捨てられて、エースが血を吐く。
エースの横腹は、惨たらしく抉られていた。
「インパクトっ！！」
ジンベエの胸元から飛び出て、赤犬の眼前でインパクトダイヤルを発動させる。
もうすぐアサギの能力で右腕も回復する。
此処からは私があいてだ、溶岩男！
「おどれも確実に殺さんといけんのォ……」
「ふん！政府に害を及ぼす可能性のある者は一人残らず消す…ってわけ？」
少しでも会話を繋ぐ、今のうちにエースを船医の元に…！ジンベエ！ルフィ君！！頼んだよ！
「その通りじゃ……！」
片目を真っ赤に染めて、私を睨む赤犬。
……些か、現状では力不足だ。
悔しいがそれは認めざるを得ない。
取り合えず……エースたちが逃げれる時間を稼ぐことができれば御の字か。
「らぁぁぁああっ！」
大ぶりな赤犬の一撃。
簡単によけれるが、奴の狙いはその避けた先での一撃だろう。
私がどっちに避けるのかを予測して、そこにマグマを食らわせる気だ。
じゃあその予測通りに動いてやる道理はないわな？
迎え撃ってやる！
最後のインパクトダイヤルだ！
左手でダイヤルを使い、回復したての右手で蒸気の槍を放つ。
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シーデン(プロフ) - あかりさん、有難うございます、修正いたしました…。わぁ…恥ずかし…何故気づかなかったのか…。二度は無いよう、見直しを心がけます。ご指摘、誠に有難うございました。 (2017年6月10日 16時) (
レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - これだと、武装色と見聞色はブルックが1番強い事になってます (2017年6月10日 16時) (レス) id: 52ddd1b5fc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 正しくは、1<2<3の様に広がっている方が大きくなります (2017年6月10日 16時) (レス) id: 52ddd1b5fc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - すいません、不等号の向きが逆になってます！ (2017年6月10日 16時) (レス) id: 52ddd1b5fc (このIDを非表示/違反報告)
シーデン(プロフ) - 正実さん、ご指摘誠にありがとうございます。わたくしの注意不足です、申し訳ございません。ご指摘頂いたところは修正いたしました。 (2017年5月2日 17時) (レス) id: f1f9c9e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年4月12日 15時
