【ONE PIECE】麦わらとのんき女の航海日誌その4 (ページ44)

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百九十話*閑話・微睡みのひと幕ページ44

しろい

あおい

くらい

あかるい

つらい

ここちいい

いたい

きもちい

くるしい

ひとり

ふたり

さんにん？

あれ

おかしい

いたい

でも

きもちいい

おかしい

でも

でも？

わたしは

私は

あなた(あたし)はだぁれ？

―――――――――――――――

『―――』

目が覚めるとあたしは闇の中にいた。
何があったかはわからない。気が付いたらそこにいた。
暗くて明るくて、自分(わたし)という存在さえ疑ってしまうような曖昧な空間。

だけど、この何もない空間が、どうしようもなく心地良い
自分(私)の全てを認めてくるように、体全てを包んでくれる。

あたしは死んだんか？
ならここは浄土？天国？
それとも、地獄か。

あたし以外、ほんとに何もない。
唯一つの存在を除いて。

『――――』

人影。
まっさらな空間にポツリと佇む闇。

ゆらゆらと揺らめき、何かを呟いている。

呪文のような呻き声。高く、か細い綺麗な声。

鐘の音のように、わたしの耳の中にその声が響く。

『xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx』

頭の中がずんずんと痛む。
体中からきしむような音を上げ、堪らずあたしは悲鳴を…

「・・・・・・・」

あげれなかった。
口を大きく開いても、そこから出てくるのはか細い吐息のみで、声は出せない。

頭のてっぺんからつま先までジンジンと燃えるような熱さに支配され、わたしは再び意識を手放した。

―――――――――――――

女は真っ白な空間で揺蕩う。

自分が何者なのかさえも忘れ、只々何もない虚空を漂う。

その眼には既に光が消え、虚無がその身を支配していた。

『ねぇ、聞こえてる？』

女に声をかける少女。
しかし、返答は無い。

もはや女は言葉さえも覚えていない。
ヒトであったことも、遠い過去の話。

女は海に漂う泡沫が如く揺蕩うのみ。
知性など持たず、目的などとうに忘れ、微睡みを永遠と泳ぐ。

「・・・・・・・」
『――――――』

そんな女を見て、少女は悶える様に体をくねらせる。

『aaaaaa.aaaaaa』

ゆっくりと、フワフワと漂う女に近づき、抱き着く。

『だ・い・じょ・う・ぶ』
「・・・」

女の耳元で囁き、体をより強く締め付ける。

『------------------------------------』

貌のない少女は、呪文のような声で啼く。

愛おしい想い人を愛でるように、女の顔を撫で、女をさらなる微睡みへと誘う。

『もう一度♪』