【ONE PIECE】麦わらとのんき女の航海日誌その4 (ページ33)

今日:16 hit、昨日:3 hit、合計:201,344 hit

百七十九話* ページ33

吹き荒れる風。
荒れる海。

前方に隔たるは正義の具現。悪を殺す絶対の正義。
それを打ち砕くは、悪なる自由(せいぎ)。

ってなわけで、場面は移り、ブルーノ対ルフィ君のところだ。
いよいよエニエスロビー編も開戦の時である。

「前代未聞だぞ…、いつまで暴れる気だ…」
「死ぬまで！」

その会話が合図となり、ブルーノは剃で、ルフィ君はギア2で移動する。

剃の速さは六式使いの中でも特に秀でているわけではないブルーノの剃を見切るのは、ギア2を完璧にマスターしているルフィ君には容易いことだった。

そして、何のためらいも見せずに六式の『剃』についてくるルフィ君を見てブルーノは動揺を隠しきれない。たかが一海賊がなんと『六式』を使って見せているのだ、それも完璧に。当たり前の反応だろう。

「JETピストルッ！」
「鉄塊…！」

鉄を殴ったような音が響き、ルフィ君の拳は弾かれる。
ルフィ君がゴムじゃなかったら殴った拳がおじゃんになりそうなほどの音だ。

「ひゃー！かってェな～！それが『六式』ってやつか！」
「…貴様、なぜ六式を…」

ブルーノは鉄塊を解かずにルフィ君に問う。
その問いに対し、ルフィ君は眉を顰め答えに悩む。

おいおいおぉい、覚えてないのぉ？
事前に六式に関して聞かれたら私、つまり仲間に聞いたって言ってって決めたんだけどなぁ…。

「仲間から聞いた！」

思い出したようだ。
よかった。笑って答える。

「仲間…？だと…？」

六式は海軍が開発した戦闘技術。
それが何故賊に知られている？内通者？裏切り、情報漏えい…。

考えられるケースを数え、ブルーノは戦慄し、覚悟する。
コイツを捕らえ、なんとしても聞き出さなくてはと。

「行くぞっ！ゴムゴムの…JET！！」

ルフィ君の腕には武装色が纏っていた、さすがに2年後ほどの威力はないと思うがブルーノの鉄塊ごとき難なく突破できるだろう。

「鉄塊‼‼剛‼‼‼」

目を見開いてブルーノは最高の鉄塊、『剛』を発動させる。
耐え、反撃をする算段だ。

「ライフルゥッッ！！」

肉が鉄を打ち砕く。
鋼の肉体が激しくゆがみ、その痛みにブルーノは白目をむき、血を吐いて倒れる。

正義の剛も形無しだ。

「ふぅー、ほんとに頑丈な奴だったなぁ～。お～い！A！また運んでくれぇ～！」

こぶしをプラプラと振りながら、私に向かって言うルフィ君。
うんうん、私の使い方をちゃんとわかってるね。

…浮遊中…

ってわけでルフィ君を担ぎ上げちっさい門を飛び越えて、司法の塔の目の前までたどり着く。