百六十九話* ページ23
暗い部屋で、私はただただ自分の無力さ、もとい無能さを呪うことしかできなかった。
ああすれば良かった、こうすればこうならなかった。そんなIF、もしもが私の頭に浮かんでは消えていく。
「皆…ごめんなさい…。私…私っ…！」
えづきながら皆に謝罪する。
もうこうなってはどうしようもない、なのだから後悔よりもこの先の事を考え行動しなくてはならない。
なのに、体は一向に動いてくれない。
「Aちゃん。君も落ち着きな？大丈夫だよきっと…。何とかなるさ…」
「変な慰めはやめろ、こうなった以上、どうにもなんねぇよ」
「んだとコラくそマリモぉ！！空気を読め！！！」
サンジとゾロがけんかを始める。
ピリピリとした雰囲気が辺りに充満していく。
「もう！！！こんなバカな事やめてよ‼どうして仲間同士で戦わなくちゃいけないの!?」
「ナミちゃん…」
ナミちゃんがまくし立てるように言う。
ごめん…。皆……。
「こうなったら退き返せねぇよ。また話し合って変わるぐらいの意見なら、こんな事にはならねぇ…わかったらあっちいけ…」
そう言い残し、ルフィ君はハンモックに寝ころび帽子で顔を隠した。
キィという木材がこすれる音が、私達の耳に届く。
突如、後ろの扉が開き皆がそっちを向く。チョッパーが帰ってきた。
「チョッパー…お前、ウソップの後追って行ったんじゃ…」
「追い返された…ウソップは今…、街で宿とってる。『俺とお前は、もう『仲間』じゃねぇんだから！船に帰れ‼‼』って…」
チョッパー…、チョッパーの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。もうやめて…、貴方のそんな顔見たくない…。
「今朝までの楽しかった時間がウソのようね…この上にロビンの身に何か起きてたら…」
「…この一味が、バラバラになっていくみたい…」
このどんよりとした重い空気は、ずっと私たちに付き纏わり消えることはなかった。
…10時、決闘の時間…
「来た！」
「ウソップ〜！」
ウソップ君が姿を現した、腕や胴には包帯が巻かれており、怪我が完治してないことを証明している。やはり数時間で治らなかったか…私のせいだ…。
「怖気づかずに来たな…どんな目に会っても後悔するな、お前が望んだ決闘だ…！」
「当たり前だ…殺す気で来いよ、返り打ちにしてやる！もうお前を倒す算段はつけてきた…！」
「なぁ！止められねぇのかな！？ウソップ怪我してるんだよ！」
「見てられねぇなら部屋にいろ」
こうして、私は決闘を止めることに失敗し、ルフィ君との決闘は始まってしまった。
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シンア - 続き楽しみにしてます。 (2017年3月21日 23時) (
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年3月9日 22時
