百六十話* ページ13
「ちょ、ちょっと！自分どこ連れてく気？！あたし何ももってへんよ！？」
「ごめんなさいね？少しだけだから」
半ば無理やりに扉の外へと連れ出されたあたし。
何やこのレイヤーさん。頭イッとんか？
え、ちょっと待って？今、現状ってさ、頭のおかしいと思われるレイヤーさんに、軟禁されとるってこと？なにその三流ラノベみたいなやつぅ！
「ちゅうーー」
あたしを慰めるように蛇ちゃんが頬を舐める。
可愛いけど、胸から出てくれへんかな？
「怖がらないで、彼らを見て何か思い出すことはあるかしら？」
扉を開け、船…なんかな？
その船の甲板に集まる人たちを指さして、ナースのように優しく私に言うレイヤーさん。
何やこの人、まじで言うてることわけわかめやん。
取りあえず怖いから言うこと気いとこ、なんかお遊びって雰囲気ちゃうし、マジで何されるかわからへんからね…。
あたしが甲板に群がる人たちを見ると、彼らはやはりと言うべきか、ワンピースのコスプレをしてる。そりゃね、ロビンのコスプレ見た時からなんとなく予想はできたたよ。
「うぉおお！戻ったぁ〜〜！！」
「ポープゥー！」
ルフィの恰好をした少年が、笛みたいな動物…なのか？…を掴み上げて高らかに叫ぶ。
何やこの状況。笑えへんけど、笑えへんのやけどぉ？！
「あら、船長さん。記憶は戻ったのかしら？」
「おぉ！すまねぇな！何かよくわかんねぇけど！」
イノセントな笑いをあたしたちに見せる少年。
笛…記憶…麦わらの一味のコスプレ…。
え、これってあれちゃうん？
あの何やったっけ、えぇっと…あの青キジと会う前の記憶奪うタツノオトシゴみたいなやつの場面の、所謂2、5次元的な？
――――。
「痛っ…？！」
皆の様子を観察してると、頭が割れそうなほどの痛みに襲われる。
…目覚めた時よりもひどい、いくら飲み過ぎゆうてもこれはひどすぎるんちゃうかぁ？？！
視界が揺らぎ、耳鳴りが鳴り響く。
立っているのか、倒れているのかさえも分からなくなってくる。
「プゥウウウ――――――――！」
少年に掴まれてた笛動物が暴れだし、あたしのほうへ向かってくる。
「Aっ！あぶねぇっ！」
「はぁ！？いきなりすぎやろっ！」
激突まで後数センチ…と言ったところで笛が止まる。
「ぷ…プォ…ポゥォプゥェ――――…」
悪酔いしたおっさんみたいに煙を吐き出す笛。
え、やめぇやなんか汚いやん。
吐き出されたピンク色の煙を吸ったところでまたわたしは意識を手放した。
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シンア - 続き楽しみにしてます。 (2017年3月21日 23時) (
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年3月9日 22時
