八話* ページ9
「誰？このごついおばさん。」
「知らねぇ、こんなイカついおばさん。」
ルフィ君返しにより、アルビダの顔はクレヨンで塗りたくったかのように真っ赤っかだ。
その真っ赤っか状態のまま、アルビダが大きく息を吐く。その恰も怪獣の吐息のようなため息にコビー君が反応する。
「ルルルルフィさん！！それにあなたも！」
コビー君の慌てっぷりは見てて面白いなー。
「コーービィ！！お前に最後のチャンスをやる！こいつらに教えてやんなぁ！このアタシのことを！！」
「ははいっ！いいいですか？ルフィさん！それにあなた！アルビダ様はこの海で」
「「この海で？何？/何だ？」」
私とルフィ君の声が、コビー君を圧迫する。
プルプルと震え、今にも卒倒しそうな顔いろになりつつも、コビー君は口を開いた。
「この海で、一番……！ごつくてイカついクソババアです！！」
船底にある倉庫に響くコビー君の声。
それを聞いたアルビダ本人を含む海賊たちは、あっけにとられて固まった。
「コビー！良く言った！」
合格だ、と言わんばかりにコビー君を自分の後ろに下げて、戦闘態勢をとるルフィ君。
そこに、怒り狂ったアルビダの金棒が振るわれる。
「コーーービィィ！」
ここは私のアッピルポイントその２。元一般ピープルの私にとってはロギアの能力をなるたけ試しておきたい。いざって時に使えないなんて、冗談でも笑えたモノじゃあないからね。
対人戦にいち早くなれたいのもあるしね。
「このぉ！」
黒鉄の棍棒が私の体を蒸気に変える。
おぉ、ほんとにすり抜けたー。
全く痛くもかゆくもない。すごいな悪魔の実ぱぅわー。
「おぉ危ない危ない。」
怒り任せの挙動は、かなり読みやすい。
殴りかかる前に、寸でのところで蒸気になって攻撃を躱すことも可能だ。
なるほどどうして、できるもんだぁね。
「か、金棒がすり抜けた？！お前、能力者か！？」
かなり衝撃的だったみたい。今がチャンス！
「ルフィ君！今だよ！」
「お、おう！ゴムゴムの！ピストル！！」
ルフィ君も少し驚いたのだろう。
私の発言から数秒、間を開けて技を放つ。
「ぎぃやぁあ――――！！！」
ルフィ君の殴りを食らって、船の天井をぶち破って遥か彼方へ。
アルビダは見る見るうちに小さくなっていく。
にしても、ゴムゴムの力とはいえあの巨体を飛ばすなんてやっぱりルフィ君ってすごい、貫禄の主人公だね。
さてと、あとは完全にコビー君の一言から固まっているモブクルーたちだけど、どうしようか。
「クルーさん、ちょっとええかな？」
「は、はいっ？！」
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
