六話* ページ7
あぁ――――――。忘れてたぁ…。
ようやく目が完璧に覚めて、お姉さんがんばっちゃうぞって時に、なんとなんと、渦にのみ込まれてしまった。
高速回転メリーゴーラウンド。
なんてこなたい。
さて、どうしたものかと。
原作通りに運否天賦に走ってみるのも一興だけども、せっかく私がいるでね。
ここで私のアッピルポイント、見せたいってものじゃあないか。
んでも、まずは船長に指示を仰ぎますかぁ。
「ルフィ君、どうしよう？」
「んー、そうだ！樽に入ればいーんじゃねぇか？」
たはー、やっぱりそうなっちゃうのねぇ。
よしよし、じゃあ私の力を見せちゃうぞぅ。
「ルフィ君！私に抱き付いて！」
「え？こ、こうか？！」
まずは。ルフィ君に抱き付いてもらい抱っこの姿勢をとる。
次に私の下半身の一部を蒸気に変えてそこに力を籠めるイメージ。
「OK！離さないでね！！」
「おう！」
そして最後は船底を蹴り飛ばし、思いっきり跳ぶイメージ。
「行くよぉ！」
私と、もちろん私に抱き着いてるルフィ君も数十メートル程跳び上がり、そのまま青空を飛ぶ。
ジェット噴射の要領だ。
うんうん、できるという絶対的な自信はなかったけれど、なぜかできる気がした。ルフィ君といる所為かおかげか、私の思考回路も、ポジティブになっているのかもしれない。
「うっひょ〜〜！！！すっっげぇぇ！！空を飛んでるぅ〜！！！」
ルフィ君が目を煌めかせながら叫ぶ。
まぁ、飛ぶっていうより跳ぶの方が近いんだけど、ルフィ君が楽しそうだからいっか。ニュアンスの違いだしね。
「お前飛べたのか〜〜！！」
「えへへ、まぁちょっとだけだけどね」
実際に飛ぶと言うにはいささか高度と速度が足りない。
これは言うなればゆっくり落ちてるだけだ。
アルビダのところまで、持てばいいけどなー。
…浮遊中…
私たちがしばらく浮遊していると、趣味の悪い船が見えてきた。
間違いなくあれはアルビダの船だね。
よかったぁ！
さっきから少しずつ高度が落ちてきていてたからさ、肝を冷やしたよー。
「ルフィ君、あの船何だろう？」
「お！帆にアレがあるから海賊船だな！」
ルフィ君がアルビダの悪趣味なデザインのジョリーロジャーを指さして笑う。
ルフィ君もちゃんと知ってるんだ、ちょっと意外かも。
そういった知識的な方面で一切の信頼を置いてなかったからね。これは少し侮っていたかも。改善しないとねー、考え方。
「ジョリーロジャーだね」
「行ってみよう！飯があるかもしれねぇ！」
「あはは、ご飯と来たか」
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
