【ONE PIECE】麦わらとのんき女の航海日誌 (ページ50)

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四十九話* ページ50

「テメェら！！いったい何やってんだ！」

何とか舟を躱し、事なきを得たゾロが茂みの中から出てきて私達に怒鳴る。

「やぁやぁ、ゾロ。ごめんね～。けがは無いよね？」
「怪我はねぇが…。そういう問題じゃねぇだろ、何なんだいきなり。何処から飛んできた？」

ゾロが体中に着いた土を払いながら訊いてくる。良かった、本気で怒っているわけじゃあないみたい。流石懐が深いねぇ。

「いやぁ！海ででっけー奴に有ってよ！そいつに運んでもらってたら途中で暴れてな！」
「で、ここまで飛ばされた…と？」
「そのと～り！」

経緯を説明すると、ゾロにため息を吐かれた。むぅ。

「それはそうとゾロ、ウソップ君は？一緒じゃないの？」
「…！そうだウソップッ！あいつ…！」

ウソップ君の名を出した途端、朗らかなだった雰囲気が凍り付く。

「あいつ、今殺されそうになって！！！」
「殺されました！」

ゾロの説明を待たずに、叫びにも似た声が届く。
ジョニーだ。

「ナミのアネキに…！あの人ァ魔女だったんです！！ココヤシ村に眠る隠し財産を独り占めするためにアーロンに取り入ってたんだ！！そのためには、人を簡単に殺しちまう。根っから心の腐った奴だったんだ！」

仲間を、家族をここまで侮辱されて黙っていられるわけがない。

「シャラップ！それ以上、喋らないで。私達はそんなこと信じない」
「信じたくなけりゃそうしてくれ！でも俺ぁ見たんだ！！」
「ふざけんな！ナミは仲間だぞ！？そんなことするはずねぇ！！」
「おいルフィ！」

私たちが言い合っていると。

「誰が、仲間だって？ふざけないで、アンタたちとはもう何でもないのよ。早く、この島から出てって！」

ナミちゃんが仲間という言葉を否定する。
ナミちゃんの表情…今までで見たこともないような悲しい顔をしていた。待っててね。
すぐ助ける！！

「わぁー、寝る」

しばらくして、ルフィ君が寝てしまい、少しの間じっとしてなきゃならなくなった。

そしてヨサクとジョニーたちが去ってしばらくしてサンジが口を開く。

「何で泣いてたんだろうな…ナミさんはさっき心で泣いてた」
「さぁな。ウソップを殺した懺悔の涙じゃねぇのか」

「ゾロ」「…すまねぇな。」
「よろしい。」

「Aちゃんお母さんみたいだね」

…私まだ二十一なんだけどなぁ…。

「お母さん…か」「あー、いや違う！！えーと…そうお姉さん！お姉さんだよ！」
サンジ…そこまで必死に訂正されると逆にへこむよ。