四十七話* ページ48
ゼフさんから頼み事をされて、それを快く引き受けた私達は、どうやってサンジを引き抜くかを考える。あの頑固者は多分、梃子でも動かない。
「どうしよっか」「そーだなぁ」
しかし、そんなに簡単に答えなど出るはずもなく、グダグダと時間を浪費してしまう。
そんな中、突如としてバラティエ内に轟音が届き、悲鳴が鳴り響く。
「ひ、人が！鮫に食われてるぅ〜！！」
あぁ、ヨサクだったか。変な模様の鮫に齧られた状態のヨサクが店内に突っ込んで来たんだ。成程、そりゃ誰だって叫ぶね。
そのヨサク(In鮫)から、ナミちゃんの目的地がわかったと伝えられ、一緒に来てくれと頼まれる。
もちろん断るはずがなく、今すぐにここを発とうということになった。
「よし、行こう！」
と、意気込むルフィ君の肩を、サンジが止める。
「待てよ、バカげた夢はお互い様だ。俺は俺の目的『オールブルー』のため、そしてAちゃんとナミさんのためだ！」
あ、私さん呼びからちゃん呼びに変わってる。打ち解けたってことでいいのかな？
「サンジ？」
サンジはカーブボールをルフィ君に投げる。ダメダメ、ルフィ君には直球ストレートじゃないと理解できないのよ〜？
「ああ！付き合おうじゃねぇか！海賊王への道とやらに！…お前の船のコック、俺が引き受ける。いいのか？悪いのか？」
吹っ切れたように、頭を掻きむしり溜息を吐くサンジ。仲間になるんだから、この『ルフィ君クオリティ』にはちゃんとついてきてもらわないとネ。
「いいさーーー！！やったーい！」「やったねルフィ君！」
そして出発の時。
「いいのか？あいさつ」
「いいのさ」
言葉なく別れようとするサンジに、優しい声がかけられる。
「サンジ。風邪…ひくなよ」
その一言に反応し、サンジが振り返り叫ぶ。
「オーナーゼーーーフッ！！！！今まで『クソ』お世話になりましたァ！！！このご恩は！一生忘れません！！！」
それから皆が一斉に泣きだしてしまう。それを見ている私とルフィ君の顔にも自然と笑みがこぼれている。
「バカ野郎…男は黙って別れるもんだぜ…!」
そう悪態をつくゼフさんの目尻には、透明な雫が溜まっていた。
いやぁ、いい話だねぇ…。こっちまで泣けてきちゃう。
「行くぞーー！出航だぁー！」
「また会おうぜーー！クソ野郎どもーー！！」
さてさて！サンジも無事仲間になったところで、バラティエ編！無事終了ってね！
お次は東の海最大の山場、アーロンだねぇ。うぅん、楽しみだ！
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
