二十一話* ページ22
「その店は、シュシュにとって大切な思い出の店なのだよ。」
おかしいな、原作と順番が逆だ。ナミちゃんのときも思ったけど
私が物語に介入してるからかな？
どこからか現れた町長さんが、ルフィ君とシュシュが戯れているのを見て、目を細めて言う。
しかし、その優しそうな表情はすぐさま燃え盛る闘志にかき消される。
「ぐぬぅ…こんな小童や華奢な娘が我が町のために、頑張っておるのに…！この町長たるわしが！しっかりせんでどうするか！」
町長さんがそう言いながら走り出す。
おぉ、中々速いじゃない。お年寄は無理しちゃだめよ、そういった荒事は私たち無法者がお似合いってね〜。
「ちょっと…まって、貴方が行っても勝てるはずないわ！相手はあのバギーよ！？」
「えぇい、小娘！止めてくれるな…！これはワシの町の為！シュシュの為…！こんなちんけな街と獣一匹守れんで、何が町長か恥ずかしい！！」
気持ちは分からなくもないけれどねぇー、自分の町を命をとして守る…か。こりゃ言葉で言っても分かり合えそうにないね。こういった汚い仕事は私に任せてもらおうか。
「ザ・ミスト…」
「なっ！何事じゃ！？急に霧が…！」
ドサッ…
「えぇっ！町長さん？！大丈夫？！」
「大丈夫大丈夫、ちょっと当て身しただぁけよ。この人相当の頑固者だし？こうしなきゃ黙らなかったよ？多分」
「命があるだけ上々だ、Aが止めてなかったら、死んでたぜ。このおっさん」
おぉ、ゾロ！
いつの間にか目覚めたゾロが私の意見を認めてくれる。
「おぉ、ゾロ〜！」「アンタ、斬られたのにどうして！」
「あぁ、寝たら治った」「化け物かアンタ！」
ナミちゃんの鋭いツッコミを無視して、ゾロは船長と並び立つ。
「よし、行くか…！お前ら、赤っ鼻に手ぇだすなよ。おれがやるから」
「ちょ、ちょっと！アンタたち本気であのバギーに勝つつもりなの？どうやって？」
「？ルフィ君がドッカーンって」
「…何かもう疲れた…。勝手にやりなさいよ、どうなってもアタシ、知らないわよ！」
溜息を吐くナミちゃんを後目に、ルフィ君は拳を鳴らして気合を入れている。
ヒュゥ、こっちに来て初めてかもしんない。結構やる気に満ち溢れてるよ今のルフィ君。
…移動中…
「よぉく戻って来たなァ…！貴様らぁ！」
「ああ！約束通り『ぶっ飛ばして』やるよ、『赤っ鼻』〜〜！」
「おのれェ…ハデアホ共がァ！！ハデにうてぇ！『バギー玉』ァァ！！」
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
