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ｰｰｰｰｰ
「待って、行かないで…」
「ぼ、僕だって本当は行きたくなんか…」
ｰｰｰｰｰ
映画は終盤に差し掛かってきている。
2回目だしまぁ、泣かないと思っていたが現在大号泣中。止めようと思ってもボロボロと涙が出てきて止まらない。
しにがみくんは…
チラッと横を見ると目の下が赤くなっている。
泣くの我慢してるのかな…。
眉間にシワ寄ってるし…。
ｰｰｰｰｰ
「最後までありがとう、…愛してくれて」
「…っ」
「…」
ｰｰｰｰｰ
あぁ、もう最後だ…
本来ならここの後にエスコートしようと思っていたのに、こんな顔じゃ出来るわけない…
また失敗…
映画の中の2人は熱く愛し合えているのに…まだ私たちは何も出来ない…
私から映画誘ったのにな…
こんなことを思うとまた涙が止まらなくなる。
もう取り返しがつかないし、これからどう話しかければいいかも分からない。
s「…Aちゃん」
『…っ』
映画が終わって呼ばれたのに返事も出来ない。
声も出ない。し、…最低だな…私。
s「ちょっと…こっち向いてくれる…??」
『…』
しにがみくんがこっちを見てくる。
もしかしてそういうことをしたかったのが、バレたのだろうか。
私はゆっくり、しにがみくんの方を見る。
s「…しんどかったら今はこっち向かなくてもいいよ。」
『…うん。』
s「ねぇ、…Aちゃん。僕ね、Aちゃんとこういう事したくて付き合ったんじゃないんだ…」
あぁ、怒ってしまった。
顔は見れずとも、きっと怒っている。
自分から誘っといて…何も出来ない最低な彼女になってしまった。
s「Aちゃんは、こんな僕にでも優しくしてくれて、努力家で、笑顔を見せてくれたから…その、す、好きだからさ…」
s「…でもね、そんなAちゃんだからね、僕も君のために頑張りたい…」
『…へ』
ゆっくりと、しにがみくんの方を見る。
頬は染まり果て、手は震えている。
きっと今の私はそんなしにがみくんより真っ赤で、震えているのだろう。
s「…目…閉じてくれる…??」
『…う、うん。』
目を閉じてどれくらい経った頃か分からない。
しにがみくんの顔が私の顔に近づいてきて、肩を両手で掴まれる。
しにがみくんの柔らかい唇が私の唇にあたり、どんどん溶けていく。
そしてその温もりは消えていく。
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市(プロフ) - 今気づいたんですけど評価が赤色になってる!! やった!! (6月29日 21時) (
レス) id: 2b61322586 (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - 黒灰白有無％さん» 檸檬やっぱりいいですよね!! 自画自賛出来るほどこの作品は気に入ってます!! 続編も読んでくださり感謝感謝ですTT (6月29日 21時) (レス) id: 2b61322586 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 本当にどれもいい話なんですけど 檸檬 が超好きです！個人的に転生後は幼馴染で戦争に行った時みたいに引越し(お別れ)になり今世では再開できる的なのを思い浮かべました!色々想像が広がりますし、本当にどれもいい話で大好きです！続編も続けて読めせていただきます！! (6月20日 2時) (レス) @page24 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - らいさん» 嬉し~です🥲ありがとうございますᐡ- -ᐡ (5月26日 0時) (レス) id: 2b61322586 (このIDを非表示/違反報告)
らい - 檸檬本当にいい 最後の手紙でガチ泣いた (5月12日 19時) (レス) @page24 id: feb55afa1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sumi | 作成日時：2021年6月23日 0時
