俺らが守るもの5

子を守るのが親の務め ページ31

優太side

「何言ってんだよ。子供を…廉を守るのが俺の務めなんだよ」

廉「っ、でも…あれから寝てへんやん、絶対。顔見たら分かるんやで？」


こう言うのに人一倍

敏感で鋭い廉には隠すなんて無理。


だけど、さっきまで…

廉が発作を起こす前、海人が起こしてくれる前まで

寝てたおかげで、俺的には

全然眠気も疲れも感じてない。


けど、きっと顔が疲れているんだろう。


「そうか？俺的には眠くも疲れも感じてないけど。そんなに酷い顔してるか？」

廉「おん。しとる。それで無自覚って言う方が怖いわ」


なんて言われる。

本当に何ともねーんだけどな。俺的には。


どっちかって言うと

今は廉の顔色の悪さの方が気になる。


発作の後は、顔色が悪い事が多い廉だけど

一段と悪い気がする。


廉の方が何か無理して隠してるように

俺には見えるんですけど？？


「なぁ、廉。なんか隠してるんじゃねーか？」

廉「え？」

「廉の方が体調悪そうだけど」

廉「大丈夫、やって…っ…ふぅ…」

「ほんとか？気持ち悪いとか、息苦しいとか」


ホント、少し前から

廉の話し方が気になる。


廉「っ、とうさん…寝よ、」

「え？」


明らか何処かしんどそうなのに

俺に寝ようと何度も促す廉。




＊







＊





「廉。ちゃんと正直に父さんにいいな」

廉「え…」

「やっぱり気になるよ。廉の父親何年やってると思ってんのよ」

廉「っ……気持ち、悪くて…っ…」


やっぱり…

まったく、俺の事を気にして

隠してくれたんだろうし、


俺が寝た後、一人で耐えようとしてたんだろう。



「しんどいね。吐きそうか？」

廉「ん、もう…限界、、」


かなり我慢してたんだよね…


持ってきてた、洗面器に袋をセットしたのを出して

廉の目の前に持っていって、背中を摩る。


廉「っ、けほけほっ…っ…げほっげほっ…」

「しんどいね。スッキリするまで吐き出していいぞ」

廉「っ…はぁっ…はぁっ…ごほっ…」


副作用の所為で、中々吐き気が落ち着かず

ずっと吐き続けてる廉。


そんな背中を俺は摩ることしか出来ない。




＊










＊



それから20分近く吐いてると

漸く落ち着いて、俺の方にぐったりと身体を預けてきた。


「疲れたな。最後、口だけ濯ぐの頑張ろっか」

廉(コクン)


廉が頷いてくれたのを確認して

コップに1杯のお水を濯いで

廉の口元に持っていけば


ゆっくりと口に含んでくれて

洗面器にペッと吐き出した。

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