俺らが守るもの5

＊ ページ24

廉side

翔「翔ちゃん、傍に居るから。寝れるなら寝な？」

「ん、ありがと…」


少しだけ副作用の波が治まってるみたいで

楽な気がして、その間に寝なあかんというのは

長年の経験で分かってはおるんやけど…


さっきまで寝てたから

正直、あんまり眠くない。


翔「さっきまで寝てたから寝れないか？」

「え…」


俺が"寝たふり"をしてると

急にそう声を掛けてきた翔ちゃん。


翔「寝た振りしなくていいのに笑」

「やって…」

翔「眠気は？」

「ない」

翔「なら無理に寝なくていいよ。"寝れるなら"寝ていいよ。って言う話だからさ」

「ん、」


そうや。

翔ちゃん、寝ろとは言うてへんもんな。

寝れるなら。って事は

寝れないんやったら寝なくていいよという

意味が含まれてるって、普通なら気づけるし

普段の俺やったら気づいてるはず、


やけど、やっぱり

副作用でしんどいと、中々

いつも通りに頭が回らん。





＊






＊



翔「少し話しよっか」

「話？」

翔「うん。別に怖い話じゃないよ？楽しい話」

「ん、えーけど」


翔ちゃんとこうやって

まったりお話しするなんて

少し久しぶりやなぁなんて思いながら

翔ちゃんの言葉に返事をした。


翔「前に廉がさ、俺と出かけたいって言ってくれたの覚えてる？」

「もちろん。覚えとるに決まってるやん」


お願いした張本人やで？

忘れるわけないやんか笑


翔「良かった。それでね、何処に廉は俺と行きたいのかなぁって思ってさ」

「あー…」

翔「せっかくだから聞きたいなって。もしないなら、一緒に決めてもいいかなってね」


さすが翔ちゃん。

そう言う所、昔から変わってないわ〜


計画するのが好きって言うか

スケジュールが決まってないと嫌なんよね。翔ちゃんって。


「あることはあるで？」

翔「え、どこどこ？」


俺があるで。といった瞬間

少年のように目を輝かせて

食いつくように返事をする翔ちゃん。


「無難やけど、ショッピングモール。とか」

翔「おーいいじゃん」

「あんま遠出とか、無理やし。無難にショッピングモールとかええんかなぁって」

翔「そーだね。少し遠くのショッピングモールとかに行ってみる？俺居るし」

「ええの？」

翔「いいよ。廉が楽しいって思ってくれるのが一番だからね」


何て言ってくれる翔ちゃん。

この前から何度も思ってるけど

やっぱ翔ちゃんが主治医で良かった＿＿＿。




＊






＊



「っ…うっ…」

翔「おっと、しんどいね」

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