俺らが守るもの5

＊ ページ16

優太side

「大丈夫だからな〜」

廉「んっ、はぁ…っ、」


部屋の電気は暗めに設定してるから

時期に頭痛も緩和されてはいくだろうけど、、


廉の場合、そんなうまくはいかなくて…


「微熱か〜」


服用して、数分。

少ししか経ってないのに、副作用のオンパレード。


まだ吐き気や動悸が出てねーだけいいけど、

それも時間の問題、だよな…。




＊





＊




「廉？父さんの声、聞こえるか？」


こうなってしまうと、喋るのもしんどいし

それで余計な体力を使わせたくない。


そう思って、廉の手を優しく握りながら

声を掛けてあげると、ゆっくりと目が開いた。


「よし、これからさ…副作用が出てしんどくて、喋れねーって時は、Yesの時は手を握って？んで、違う時は握らない。それで教えてくれる？」

廉(キュッ)

「ん、ありがと」


これは毎回やってる方法。

これまで廉は、薬が合わなくなる度

新しい投薬治療が始まる度

俺らとの意思疎通はそうしてきた。


「今、気持ち悪いとか、動悸とかは平気か？」

廉(…きゅ)


握りが弱い。

って事は、少しあるんだな。


「少し気持ち悪かったり、ドクドクしてるんだね」

廉(きゅっ)

「教えてくれてありがとな。寝れそうだったら、目、閉じちゃいな？」


必死に目を開けてくれてから

反対の空いてる方の手で

廉の目元を優しく覆ってやると


目を閉じたのが、振動で伝わってきた。


「大丈夫、大丈夫」


そう言いながら、そっと手を離して

その手をお腹の方へ移動して

優しくトントンしてあげる。


廉(キュッ)

「大丈夫だぞ。父さんいるから。なんかあったら、今みたいに呼んでいいからな？」

廉(キュッ)


身体が薬に慣れれば

こんな副作用に苦しめられることもなく

喘息が治っていく。


だけど、慣れるまでどれくらいの時間がかかるか分からない。

ほんとそれは、個人差があるから。


1か月で副作用が落ち着く人もいれば

3か月かかる人もいる。


昔廉は、副作用が落ち着くまで1年かかったこともある。

ゴールが見えないってしんどいよな＿＿＿。




＊





＊


廉「すぅ…すぅ…」


暫く、トントンしてあげてると

規則正しい寝息が聞こえてきて

少し楽になったのかな？


なんて、少しあどけなさが残る寝顔を見ながら

そんな事を考えていた＿＿。


廉の手を離さず

次の副作用に備えて

自分の周りに看病グッズを置いて

自分も少し仮眠を取りながら

廉を見守る事に＿＿＿。

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