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廉side
紫「なら良かった」
「おん」
ただ、マスクやと喋りにくいんよなぁ、
声も籠ってるから
聞き取りずらいやろうし、
と思ってると…
紫「苦しくないんだったら、チューブタイプに変える?」
兄貴がそう声を掛けてくれた。
「おん、そうしてもらってええ?」
紫「いーよ。ちょっと待っててね」
兄貴はそう俺に言って
何やら準備してくれてる。
海「そうだ!廉にぃ、ちょっと待ってて!」
「え、おん」
兄貴が戻って来るのを待ってると
海人が突然、何かを思い出したんか
立ち上がって、風のようにタタターと部屋を出て行ってしまった。
*
*
紫「はい、おまたせ。変えるよ〜」
「ん、ありがと」
あぁ、これで喋りやすくなった〜
と思ってると、海人が戻ってきた。
海「はい、廉にぃ!」
「ん?」
海「学校でね、作文を書いたんだ」
「僕のヒーロー?」
海「そう!読んでみて?」
と、最後の方は
少し照れた様子やったけど
海人に言われた通り、海人の書いた作文に目を通した。
*
*
読み終わって気づいた、
紫「なーに、泣いてんの?笑」
「うっさいっ、」
自分の頬にいくつもの涙が伝ってることに。
海「えへへ、この前…廉にぃに、病室で言ったこと、あったでしょ?」
「あぁ、あんときの?」
その問いかけに、小さく頷いた海人。
海「やっぱり俺、悔しくて…廉にぃのことをそう言う人たちが、」
気にせんでええって言うたんやけど、
海人は許せんかったらしい。
海「だから、先生にお願いして、作文を書かせてもらって…それをクラスのみんなの前で発表したんだ」
「そうやったん、」
やからこの作文のタイトルが
"僕のヒーロー"なんかな。
海「廉にぃは凄いんだって、、強いんだって、知ってほしくてっ…涙」
紫「海人…」
喋ってるうちに
海人の声が震えてることに気づいて
顔をもう一度見ると
もう溢れそうなくらい、目に涙が溜まってた。
海「だから…っ」
「ありがとな、海人」
そして俺は、気づいたら
海人の事を抱きしめてた。
海「れ、んにぃ…」
「ありがと。そう言ってくれて、にぃちゃんそれだけで嬉しいわ」
海「っ…」
俺の事を想ってくれる弟がいるなんて幸せ過ぎるわ俺。
「ホンマありがと」
海「ん、その作文…」
「ん?」
海「廉にぃにあげる」
「ええん?」
海「うん。廉にぃには手紙のつもりで、書いてるから」
そう言って眩しい笑顔を見せてくれた
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黒瀬優花(プロフ) - あいこさん» あいこさんこんばんは。お返事が遅くなってしまい申し訳ないです。そしてそう言ってくださりありがとうございます。こちらの更新が中々出来ずすいません。今現在構成を考えている最中ですので、更新再開までもうしばらくお待ちくださると嬉しいです (2022年6月4日 21時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
あいこ - いつも読んでます! (2022年6月4日 17時) (レス) @page49 id: 9039b1adc5 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優花(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん、こんにちは。謝らないでください。伝えてくださるって事だけで嬉しいです!こちらこそありがとうございます。完結後も何度も読んでくださると嬉しいです。私なりのペースで最終回まで走っていきますのでよろしくお願いしますm(__)m (2022年4月2日 9時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 黒瀬優花さん» いつも楽しみにしてるって事を日頃からお伝えできてたらよかったですね、すみません!いつもありがとうございます♡きっと他にもこの物語の更新もすごく楽しみな方がたくさんいると思います。完結してもまた何度も読ませていただきますね☆これからも応援しています (2022年4月1日 21時) (レス) id: 91dc508731 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優花(プロフ) - ゆうさん» ゆうさんはじめまして。コメント下さりありがとうございます。そう言って頂けることが滅多にないのでとっても嬉しいです泣完結してもこの作品は残ってるので、読んでくださると嬉しいです^^完結まで見守ってくださると嬉しいです (2022年4月1日 14時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒瀬優花 | 作成日時:2022年1月9日 11時