* ページ10
廉side
紫「お、おかえりー…って、ん?顔色悪くない?平気?」
「え?嘘。平気やねんけどな」
紫「そうか?無理すんな、家まですぐだけど目、瞑っておきな」
そう言ってくれた紫耀にぃの言葉に安心して
そっと目を閉じた。
まぁ実際、しんどいし
心臓が少しだけドクドクといつもよりも
早いリズムを刻んでいて、息が苦しかったから…。
*
少し目を瞑ってるだけのつもりが、熟睡してしまったみたいで…
「あれ…ここ、」
次に目が覚めると、自分の部屋のベットだった。
そしてそっと体を起こすと、枕元に手紙があって…
『廉へ。
起きたかな?
にぃちゃんは下でレポート制作してるね。
なんかあったら言ってね。
しんどかったらメールでもいいから
紫耀にぃより』
という内容の手紙が置いてあった。
「ありがと…」
そう呟いて、もう一度体を横にした。
寝てたからマシになったかな?とか思ってたんやけど…
俺のポンコツな心臓はそう簡単には
いかんくて…
「はぁ…しんどっ、」
何となく体が重くて…
しんどくて、座ってるのが無理やった。
けど、紫耀にぃを呼ぶほどでもない。
そう思ってまた目を瞑る事に__。
*
「っ…はぁはぁっ…いっ、」
眠りに再度付いてから、10分くらい経った頃…
心臓がドクンと跳ねたかと思えば
ぎゅっーと締め付けられるような痛みに変って…
体を丸めて、心臓の当たりを掴んで
はぁはぁと荒くて速い呼吸を繰り返すだけ…。
薬…飲まな…
そう思ってんのに、痛すぎて体を
動かすことすら無理で、段々額に汗が滲んできて
もうダメや…そう思った時…
ガチャリとドアが開いたと思ったら
紫「え、廉!?」
そんな声が聞こえて、安心して
俺は意識を手放した__。
紫耀side
車に乗って、ほぼすぐに眠ってしまった廉。
「やっぱ顔色悪いよなぁ…」
赤信号で止まったタイミングで
廉のほっそい手首を優しく取って
脈を測ると、少しだけ速い鼓動が伝わってきて…
「ん−…大丈夫な範囲だとは思うけど…万全とは言えないよね…」
と長年、廉の兄をやってると
脈を測っただけで、大体の事が分かるようになった。
まぁうち兄弟もお父さんもみんな同じ。
それから廉の様子を気に掛けつつ
車を慎重に走らせて帰路についた。
*
廉を起こさないように抱き上げて
部屋に寝かせて、手紙を書いて部屋を出て
大学のレポートを仕上げる為に
リビングに降りて、PCを起動した。
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黒瀬優花(プロフ) - ティアラシックさん» ティアラシックさん初めまして。こんばんは。お返事が遅くなってしまいすいません。そして、ご指摘くださりありがとうございます。そうですよね、私も読み返していたら矛盾してることに気づきました。後程修正させていただきます。教えてくださりありがとうございました (2021年6月9日 18時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
ティアラシック - 突然失礼します。ページ45と49で、廉くんの苗字が永瀬になっているのですが、岸くんがお父さんなので苗字は岸じゃないとおかしいなーと思ってお伝えさせて頂きました。 (2021年6月8日 23時) (レス) id: 65176305fc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優花(プロフ) - はるきさん» はるきさん、お返事が遅くなってすいませんっ(-_-;)長編series1を読んでくださりありがとうございます^^これからも、この家族を見守っててくださると嬉しいです。series2もよろしくお願いします♪ (2021年5月13日 14時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
はるき - 黒瀬優花さん» 長編第1章お疲れ様でした。ここまで読ませてもらいましたが廉くんはとても周囲に恵まれて幸せ者なんだなって感じました。家族に千夏さん、友達、病院と学校の先生等。これからまた廉くんには困難がたくさん来ると思いますが乗り越えて欲しいです。続編も頑張って下さい (2021年5月13日 0時) (レス) id: 801ad08d69 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優花(プロフ) - \(~o~)/+さん» \(~o~)/+さん、ご指摘コメント下さりありがとうございます。昨日、修正させて頂きました。教えてくださりありがとうございましたm(_ _"m) (2021年5月2日 10時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒瀬優花 | 作成日時:2021年2月21日 22時