俺らが守るもの

小さな頑張り ページ27

廉side

優「さ、みんな片付けに戻れ」

「「はぁい」」


みんな父さんに促されて

立ち上がってそれぞれの部屋に戻った。


俺も部屋に戻って、ふぅと一息ついた。


＊



「そういえば…」


そして、俺は父さんの話を聞きながら

思い出した事があった。


あれは確か____



10年前の自分の誕生日が来る数日前。



「っ、はぁっ…」

優「しんどいな。大丈夫だからな」


少し前から感じてた胸の違和感に

息苦しさ。幼稚園に行けない日が沢山続いてて…


定期検査でもないのに、父さんに

抱っこされて病院に行った。


櫻「んー…入院した方がいいかもしれないですね」

優「そうですか、、」


俺はベットに寝かされて、酸素と点滴を繋がれてて、少しだけ息苦しさが改善されつつあった時……

父さんと櫻井先生の話し声が聞こえてきて…


6歳だけど、入院って言葉は知ってたし

意味も分かってて、


あぁ、俺悪なってるんやって

なんとなく、父さんと櫻井先生の

表情から理解した。


櫻「廉くん、少しの間病院にお泊りしようね」

「ん、わかった…はぁっ、」


櫻井先生は俺の目の高さと合うように

しゃがんでくれて、優しい声で俺に説明した


櫻「うん、じゃあお部屋移動しよっか」

「ん、」


そう言われて歩いてくんかなー

って思ってたら、看護師さんが車椅子を

持ってきてくれて、その椅子に座って

病室まで連れて行ってくれた。


櫻「今日からここのお部屋にお泊まりだよ」

「かっこい、部屋…やね、はぁっ、」


病室ってもっと怖い場所やと思ってた

けど、今俺の目の前にある部屋は


車や電車、など男の子感溢れる部屋で

かっこいいなそう思った。


櫻「かっこいいだろ？ほらここがベットだよ」


そう説明しながら、車椅子を押して

ベットの隣につけてくれて、俺を抱き上げて

そっと寝かせてくれる。


櫻「今日はゆっくり過ごしてね。明日から検査とか沢山あるから」


そう説明してくれた先生に小さく頷いた


櫻「ありがと。でね、お胸さんが苦しくなったり、痛くなったり、少し違うなって思ったら、このオレンジのボタン押してね」

「わかっ、たっ…」

櫻「よし、じゃあ先生行くけど、大丈夫？」

「ん、へーき、」


ほんまは寂しい。

父さんもここに来る途中で帰ってもうたし


こんな知らんところに1人とか

怖いし、寂しい。


けど、そんな言葉はみんなに

心配と迷惑、悲しい顔をさせるだけだって

分かってたから、心の奥に仕舞い込んだ__。

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