俺らが守るもの

＊ ページ25

優太side

紫「ままぁ！」

『紫耀、勇太、玄樹。ちゃんとええ子にしとった？」

勇「うん！もうゆうた、お兄ちゃんだもん！」


ホントかー？笑

まぁいい子にしててくれたのは事実。

8割くらいだけどね笑


『あれ、優太痩せたんちゃう？』

「え？そうか？気の所為だって！笑」

『ちゃんと食べてや』

「おう」


最近、千夏の体調も安定しつつあって

まだ退院の許可は降りてはないけど


車いすであれば、院内を散歩していい事になってる。

外はまだ駄目だけど…。


紫「一緒に、廉のお顔、見に行こ？」

『せやね。ママもまだ今日は会ってないんよ』


ってことで、車いすを借りてきて

玄樹が千夏の膝の上に座って紫耀と勇太が

車椅子を押したい！そういうので


ハンドルを俺と半分半分でもって

NICUに向かった。


＊



「あ、先生。お世話になってます」

先生「あ、岸さん。おはようございます」


NICUの近くまで行くと

丁度廉の担当医の先生が、部屋から出てきたところだった。


「まだ、呼吸器外れなさそうですか？」


千夏と紫耀、勇太と玄樹は窓ガラス越しに

廉の様子を幸せそうな顔で眺めていて…


俺と先生は少し離れた場所で、お話しをする事に


先生「はい。思ったよりも心機能が弱くて…呼吸器を外すと自発呼吸が困難になってしまいます。それと、昨日からお熱があって…」

「え…熱、何度ですか？」

先生「38℃後半です。熱が出ると、心臓に負担もかかってしまって、発作もかなりの頻度で出てて…安定するまでかなり時間がかかるかと…」

「そうですか、、」

先生「はい、熱が一旦下がったら、転院をと思ってます」

「分かりました。廉の事、お願いします」



＊



それから、皆で廉の顔を眺めて

誰に似てるとか、小さい手だね〜なんて

話て、千夏の体にかかる負担も考えて

廉とは一旦バイバイして病室に戻った＿＿。


『廉って、誰にも似てへんかも知れへんなぁ…』

「えー？そうか？千夏の顔に似てると思うぞ？」

紫「うん！ままのお顔にそっくりだよ！！」


まだ1回も抱っこしたことないなぁ…。

なんて、廉の顔を見に行った日は必ず1回は思ってしまう。


廉なりに、小さい体で沢山

生まれた時から、抱えきれないくらいの試練に

立ち向かってるんだよなぁ…。


紫「いつになったら、廉、抱っこ出来るかなぁ？」

『そやね。廉が元気になって、お家に帰れるようになったら、抱っこできると思うから、沢山抱っこしてやってな？」

紫「うん！」

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