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小さい頃、星に見るのにハマってた時があって毎日はこたろーと一緒に空を見てた。
雨の日も曇りの日でも空を見て『星がいない!やだ!』って拗ねる私に、はこたろーは折り紙で星を作ってくれたんだよね。
『…昔からはこたろーには世話かけてるね』
「何を今更」
『確かに今更か』
昔のことを思い出して二人で笑う。
良くも悪くも何年経っても私とはこたろーの関係は変わらなかった。
でも最近は私がはこたろーに想いを伝えて、少しずつだけど変化を感じる。
「そういえば聞いたよ。瀬口が助けてくれたって」
『うん。瀬口くんがいなかったら本当にやばかったと思う』
「そう…。俺からもお礼言っとかないとね」
『はこたろーは私の親か』
いや、やっぱり変化してないかもしれない。
まだまだはこたろーにとって私は家族と同じなんだろうなあ。
私が複雑な気持ちになってる横で「確かに俺が言うのは変か」って真顔で顔で呟いてる。
『はこたろーにとって私はまだ妹みたいな感じ?』
こんなこと聞かなくても答えは決まってるのに。
……はこたろーに何を求めてるんだろう。
私は本当面倒くさい女だ。
「………妹なんて思ってないよ。ちゃんと最近は女として見るようにしてるから」
『え』
返ってきた言葉は予想外のもので間抜けな声が出る。
だって、そんなこと言ってくれるなんて思ってなかったから。
「……ちゃんとAのこと考えてるから」
もう少し考えて返事させてほしい…と空を見上げて言うはこたろー。
改めて言われると少し照れ臭いな。
この満天の星空のせいかもしれないけど、その横顔がいつもより何かかっこよく見えて。
やっぱり私は家族としてじゃなくて、女としてこの人の横にいたいなって改めて思う。
でも、決めるのははこたろーだ。
『私に気を使わないで、自分の気持ちに正直になってね』
多分私たちにとって一番辛いのは今の関係が無くなること。
『はこたろーがどんな答えを出したとしても私とはこたろーが幼馴染なのは変わらないから』
この先、ずっと私の片思いで終わっちゃうかもしれない。
確かにそれはとっても辛いことだけど。
それでも私はいいって思える。
幼馴染みという関係だったとしても
ずっとこうやって、
はこたろーと星が見れたら幸せだなって思うから。
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おゆき(プロフ) - ましろさん» コメントありがとうございます!あやかさん…私はおゆきと言います!よろしくお願いします(汗)少し最後は駆け足になりましたが、素敵な感想をいただいて無事に完結させることができました。ありがとうございました! (2021年6月13日 15時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ - すごくきゅんとして、続きがとっても気になります!ゆっくり、あやかさんの無理のないペースで素敵な作品を仕上げていってください!すっかりファンなので、楽しみに待っています。 (2021年4月15日 16時) (レス) id: ee9621a8b6 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - るんさん» 見てくださってありがとうございます!少しずつになりますが、完結まで頑張って更新していきます!ありがとうございます! (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
るん(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいてます。更新楽しみにしてます!!! (2021年3月16日 22時) (レス) id: f14a3f6d70 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - ねこたろうさん» ありがとうございます!嬉しいお言葉ありがとうございます!少しずつ書き進めていくので気長に待っていただけると嬉しいです! (2021年3月11日 7時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆき | 作成日時:2021年1月28日 23時