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「っ…!!…なんで泣くの、」
『あ、え、これは違うっ、』
頬に流れた涙を乱暴に拭こうとするとその手を掴まれて、「赤くなるよ」と代わりに自分のパーカーの裾で優しく拭いてくれるかるてっとさんにドキッとした。
『ご、ごめん…ちょっとびっくりしただけ。それよりもかるてっとさんベット戻って、』
絶対熱がある。掴まれた手がめちゃくちゃ熱かったし。
こんな床で座り込んでたら悪化しちゃうよ。
腕を引っ張るけど、何故か私をじっと見たままかるてっとさんは動こうとしない。
………そんなに見られると、恥ずかしいんですけども。
『な、なに?』
私が聞くと、「…心配して来てくれたの?」と意地悪な笑顔を浮かべるからすぐに視線を逸らした。
また、そうやって茶化してさ。
『………心配でしたよ。…すごい音聞こえて、なんかあったのかと思った。中入ったら倒れてるし、めっちゃ焦った』
「そっか、ごめんな」
『私のことはいいから、とにかく寝て!』
もう一度手を引くと今度は立ち上がって大人しくベッドに入ったかるてっとさん。
『…熱測った?』
「測ってない。……まぁ適当に酒飲んでたら治るっしょ」
『それはマジで馬鹿!』
荒い呼吸と共に呟かれた言葉に眉間に皺を寄せる。
そういえば風邪ひいた時は強めの酒を飲むとか訳のわからんこと言ってたなこの人。
『薬は?』
かるてっとさんがいつも漢方とか薬を出してる棚を見ると、体温計が入っていた。それを持って近づく。
「薬は飲んだ。それよりA、もういいから帰って。移るよ」
体温計を受け取ったかるてっとさんが自分でそれを脇に挟んだのを見て、次は冷蔵庫に向かう。
帰れって言われると思った。でも帰る気なんてさらさらない。かるてっとさんがこんなにしんどそうにしてるのに放っておけない。
***
あけましておめでとうございます。
気づけば100人以上の方に
お気に入りしていただいていて本当に嬉しいです。
今年も自分のペースで頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
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おゆき(プロフ) - りんさん» うわあ、嬉しいです…!でも心臓痛くなっちゃいましたか…ありがとうございました、と言っていいんでしょうか(笑)コメントありがとうございました。 (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - 雪さん» 素敵だなんてありがとうございます!嬉しいです!自分のペースになりますが、楽しんで更新していきます!ありがとうございます! (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - キュンキュンしすぎて心臓痛くなりました! (2021年4月2日 10時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 素敵すぎて一気に読ませて頂きました!また何回も読ませて頂きます。他の更新ものんびりと楽しみにしていますね。 (2021年3月6日 13時) (レス) id: 35fa8c2320 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - しめじさん» ちゃんと伝わりました!(笑)嬉しいです!ありがとうございます!次作もよかったらご覧になってください! (2021年2月6日 9時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月29日 9時