守るため ページ9
加藤くんに背中を押されるまま車に乗り込んだ。
ボスの部屋を出てから何も言葉を発しなかった加藤くんが、車を発進させてからすぐ口を開いた。
加「ボスと何があったんです？」
『……』
加「もしかして……近々BinTRoLLに依頼する仕事の件ですか？」
『……加藤くん、その仕事の内容を教えてほしい』
バックミラー越しに頼んだ私に、「やっぱりあの仕事のことで……」と加藤くんは困ったように眉を下げた。
『私にはクロウに関係することを知る資格があるでしょ』
加藤「…教えられません」
『……、』
どうして、なんて聞かなくても分かる。加藤くんは、きっとボスに口止めされてるんでしょ。
加藤「この仕事について聞いたあと、A様はどうするんです？1人で乗り込むつもりじゃないんですか？」
前を見つめたまま言う加藤くんに私は少し苛立ちを覚えた。
『だったらなに。…もしその仕事が奴らに関係ないことだとしても、疑わしいものは全部自分で調べるって決めたの』
私が……私がやらなくちゃいけない。
自分が我が儘を言ってることは重々承知だ。
特に今回のクロウと関わってる可能性のある男2人を確保する任務。私が1人で行くよりも複数人で行った方が成功率が上がるに決まっている。
やっと握ったクロウの情報をここで逃すわけにはいかないことも分かってる。でもBinTRoLLのみんながもし、お父さんたちみたいなことになったら……？
そうなるくらいなら、自分が傷つく方が何十倍もマシだ。
ぎゅっと膝の上に乗せていた手を握る。
赤信号で車が止まり、ずっと前を見ていた加藤くんがゆっくり振り返った。
『A様が、BinTRoLLに戻ってくださるなら仕事内容を教えても構いません』
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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです！お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます！また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです！ (2021年5月18日 18時) (
レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね！ (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆき | 作成日時：2020年11月13日 14時
