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し「…何もしないね」



ターゲットであるカップルを、ショップの中にあるアクセサリーコーナーからこっそり見つめている私たち。


横で「手を繋ぐくらいしてくれないと証拠にならないよー」と呟くしるこさんに頷く。



17時からこの店に入ってもう1時間以上経ったけどターゲットたちは浮気だと決定つけるような行動は全く見せてない。



『…ここまで何もしてないんだし、今日は無理かな』

し「えーじゃあここきた意味ないよ?」



…そうだよねぇ。


この店は2時間制でもうすぐ私たちもあのカップルも店から出る。その後も尾行するしかないか…。こんな格好だしさっさと帰りたかったけど仕方ない。


頑張るかーと気合を入れ直した時、目の前のヘアクリップが目に入った。



『…かわいい』


あまりファッションに興味のない私が思わず声に出しちゃうくらい好みのヘアクリップが飾られていた。



し「どれどれ?」

『これ…可愛くない?』



手に取って自分の頭に合わせて鏡を見る。


うん、やっぱり可愛いなぁ。




し「珍しいねAちゃんがこういうのに興味もつの」

『ね。私も思った』

し「よし、しるこさんが買ってあげる」

『え!!い、いいよ!自分で買う!』
 


私の手からヘアクリップを奪ったしるこさんの手を掴もうと伸ばすけど、高く上げられて取れない。


くぅ……こういうときに低身長だということを痛感する。



し「プレゼントさせてよね?今日はAの彼氏だしさ?」

『で、でも、』

し「お願い」

『うっ、』



首を傾げて手を合わせるしるこさん。そんな可愛くお願いされたら…もう何も言えません。



『いいの…?』

し「いいの!俺がプレゼントしたいんだから」



それに、と付け足したしるこさんは悪い笑顔を浮かべて言った。



し「みんなにマウントとりたいし」

『マ、マウント?』

し「まぁ、それだけじゃないけどね?」



どういうこと?ってなってる私を気にすることなく、ささっとお会計を済ませて戻ってきたしるこさん。



し「はい、どうぞ」

『あ…りがとう、』


なんか落ち着かない気分。プレゼントなんて久しぶりに貰ったから。


……純粋に嬉しい。



『大切に使います』



そう私がいうと、しるこさんも優しく笑った。


なんか凄く胸が、くすぐったい。

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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです!お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます!また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです! (2021年5月18日 18時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね! (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月13日 14時

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