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「はははっ。お前が大人しく言うことを聞いていればこんなことにはならなかった」
「…先に裏切ったのはお前らの方だろ！！」
「裏切る？私は初めから協力するつもりなんてなかったさ」
笑顔を崩さない男はただただ気持ち悪かった。
「まあいい。替えはいくらでもある。なあ、君はどうやったら絶望した顔を見せてくれるのかな？…じわじわと痛みを感じながら殺せば、素敵な声を上げてくれるのかい？」
あー、そうか。
この男は狂ってるんだ。その横で笑う奴らも全部、ここの奴らはみんな頭が可笑しい。
「それとも、娘を目の前で殺す…？」
背筋が凍るような、そんな冷たい声だった。
ここで私は死ぬ。家族みんな撃たれて、死ぬんだ。…自分が死ぬことなんて考えたことがなかった。こんなにも怖いんだ。
「…娘だけは頼む。やめてくれっ、」
父の悔しそうな声が聞こえたあと、銃声が響いた。
ーーーーそこからはもう、地獄だった。
私を庇い撃たれ続ける父。手、腕、足、肩、もう穴が空いてる場所なんて無いくらい。
血塗れで、それでも何度も私の前に立ち上がる。
声すら出なかった。
何が起こってるのか理解したくなかった。
そして、気づいた時には父は地面に倒れていて。
………動かなくなっていた。
「虫並みのしぶとさだったなぁ。対して面白くも無い死に様だ。」
『面白く、ない…？』
私は男を見た。
嘲笑うように馬鹿にするようなそんな表情を浮かべている男。
こいつは、何を言ってるんだ。
父さんたちを何だと思ってるの？
『ふ、ざけんなよ…』
「ほう？……今の今まで震えていたのに、突然どうしたんだい？…ああ、」
男は思い出したかのように弟を指差し、「その子のことは悪かったと思っている」可笑しそうに笑った。
私はまた、弟を強く抱きしめた。
息絶えた父と母に視線を落としてから、もう一度男を見る。
男は当たり前のように地面に立っていて、当たり前のように息をしている。
その姿を見て、私の心の奥底から溢れ出してきたこの初めて抱く感情は形になり、口から漏れる。
『……殺してやる、』
たとえここで殺されても、こいつだけは呪い殺してやる。
絶対に、絶対に、絶対に殺す。
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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです！お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます！また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです！ (2021年5月18日 18時) (
レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね！ (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆき | 作成日時：2020年11月13日 14時
