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『ゲホッ…いっ、たぁ……』



…ちっ、避けきれなかった。



蹴られた場所を押さえて、ゆっくり起き上がる。



咄嗟に体を引いてなかったら、気を失ってたかもしれない。それくらい強くて重い蹴りだった。




「当たりが、甘かったかーー」




顔を上げると、190cm以上はある大柄な男が扉の前に立っていた。


そいつは私を見て、気持ち悪い笑顔を浮かべる。




すぐ後ろに来るまで全く気配を感じ取れなかった。………こいつは相当やばい気がする。



拳銃を取り出そうと手を動かした瞬間、男がすごいスピードで腕を上げて私に向かって走ってくる。



早いっ。



それを防ごうと腕を出したが、



「そんな細い手じゃ、防げねぇよ!!」

『ぐっ、』



思いっきり殴り飛ばされ、自分の腕が顔に直撃する。


その衝撃で拳銃も手の届かないところまで転がっていってしまった。

 

勢いは止まらず壁に体を打ち付け、ズルズルと床に座り込んだ。




頭もぶつけたのか、視界が揺れる。



ギリギリ意識を保った状態で、ゆっくり近づいてくる男から逃げようとするが体が動かない。


……まずい。これは……かなりピンチかも。





「………お前、ーーーーーの娘だな」

『…!!!!』



突然出てきた父の名前。


反射的に立ち上がろうとして全身の激痛に、また座り込む。



こいつが、どうして父さんの名前を…。



『……あんたっ、父さんを知ってるの?』

「もちろん、よく知ってるよ……………同じ組織にいた仲間だからな」

『っ、』



男の言葉が何度も頭の中でぐるぐると回る。


同じ組織にいた、仲間…?


ど、ういうこと……。




「知らなかったんなら教えてやろう。……お前の父は、俺と同じ。クロウのメンバーだったんだよ」



ニヤリ、男はまた笑う。



「嘘、だ…」



自らクロウのメンバーだと言ったこの男。


こんな男の言うことを信じるな。……あんなに優しい父さんが犯罪組織にいたなんて、あり得ない。




『……父がクロウのメンバーだったとして。娘の私になんの用だよ』

「さぁ?俺はお前を連れてこいって命令で来ただけだからなぁ」



私を……?


顔を見られた口封じか?今更?それなら、あの時殺せたはずだ。




「女を痛ぶるのは趣味じゃないんだ。一発で終わらせてやる」

『……よく言うね。2回もぶっ飛ばしといて』

「そうだったかあ?」



顔を合わせてからずっと笑ってる、この男。


………心底、気持ちが悪い。

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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです!お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます!また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです! (2021年5月18日 18時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね! (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月13日 14時

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