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し「足速くない?!」
『そりゃ猫だからね!』
し「猫って足速かったっけ?!」
『…多分!!ってそんなことどうでもいいから足動かして!!私より遅いってどういうことよリーダー!』
し『俺走るの嫌いなんだってー』
数分後辛そうに私の後ろを走るしるこさんに呆れつつ、軽やかに家の屋根から屋根を飛び渡りながら、どんどん先へ進んでいくリボンちゃんを必死に追いかける。
私としるこさんvs猫の戦いは中々の長期戦になった。
『もういい加減にしてって!!』
し「もう無理ぃ〜」
いつの間にか屋根から降りて私たちと同じ地面を歩くリボンちゃんは振り返り、肩で息をする私としるこさんを見て「にゃ〜ん」と一鳴き。
息切れひとつない。さすが猫。
『もう捕まえなくていいんじゃない?マダムのところで何もしなくてもお風呂も餌も貰える生活より、外の世界で自由にのびのびと過ごす方があってるよ、あんた』
疲れで頭が回らなくなっている私は、キレ気味にリボンちゃんに向かって言い放つ。
それに「そうだそうだ」と首を縦に振るしるこさん。
か「仕事放棄しようとしてる人たちがいるんだけど」
い「猫の扱いが悪いよね。追いかけられたら人でも逃げるでしょ?エサを手に乗せて待つだけでいいんだよ」
もう諦めモードになっている私たちの元にやってきたかるてっとさんといちはちさん。
いちはちさんはリボンちゃんと目線を合わせるように体をかがめた。
手のひらに餌を乗せて「おいで〜」と差し出すと、リボンちゃんはゆっくりといちはちさんに近づいてエサを食べた。
かるてっとさんも普通にリボンちゃんに懐かれていて、私としるこさんは呆然とそれを見ていた。
し「Aっち……」
『…なにも言わないで』
し「俺らいらなかったよね」
『言わないでってー!!私も思ったよ!!絶対二人だけでよかったじゃん!!こんなに頑張って走ったのに!!』
しるこさんとはぁ…と肩落とす。
かるてっとさんといちはちさんに撫でられてご満悦なリボンちゃんが私たちを見ながら、嘲笑うかのように目を細めた。
このとき私は誓った。絶対にもう猫探しの仕事は受けないと。
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ゆうきん(プロフ) - 狼谷さん» いつも読んでくださりありがとうございます。リクエストもありがとうございます。参考にさせていただきます! (2021年1月2日 17時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
狼谷 - はじめまして!いつ者です読んでいますめちゃくち大好きです!リクエストなのですがしるこさんと一緒に恋人の振りをして浮気調査するのはどうでしょうか?これからも応援しています! (2020年12月13日 23時) (レス) id: 3f56a3b857 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - すずらんさん» ありがとうございます…!嬉しいです。徐々に恋愛の方にも寄せて行こうかなと思っています。 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - このお話大好きです!恋愛方面にも期待しちゃっていいですか? (2020年8月23日 21時) (レス) id: 930f05f5ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - あめさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!!マイペース更新ですが頑張ります! (2020年8月23日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆき | 作成日時:2020年8月13日 10時