何でも屋BinTRoLL

買い出し ページ6

じ「牛乳と卵と玉ねぎとーーーーー…よし。これで全部かな」



じらいちゃんがメモを見て頷いた。



とある日の朝、私とじらいちゃんは近所のスーパーに来ていた。



『はぁ、なんで私が休日に買い物なんか…』

じ「文句言わない！今日じらいちゃんとAちゃんが当番なんだから仕方ないでしょ」

『そうなんだけどさぁ…』



私たちは日替わりで家事を分担している。



今日がその当番の日で二人で一緒に買い出しに来ていた。


朝食昼食はみんな各自で取るから夜ご飯だけ当番制なんだけど、私は一人で絶対に料理をしないようにと強く言われていて、当番の日はいつも誰かとペアを組まされてる。

これくらい1人でできるのに…




じ「もう買わなきゃいけないものは買ったし、さっさと帰るよー。」

『はーい』





＊＊＊




家までの帰り道、赤信号で立ち止まる。平日の昼前ということもあり歩行者はそこまで多くはない。


向かいの歩行者道路には小さい男の子。そしてその男の子の手を繋いだ母親が私たちと同じように青信号に変わるのを待っていた。


男の子は母親を見てニコニコと笑っていて、母親もまた優しく息子に微笑む。



そんな二人を見て、平和だなあ…なんて思ってるといつの間にか青信号に変わっていた。


なのにある一点を見つめたまま動かないじらいちゃんに首を傾げる。




『じらいちゃん？信号変わったよ？……って、え？！』


声をかけたと同時に、じらいちゃんが男の子と母親の方へ駆け出した。


すかさず私はじらいちゃんが見ていた方へ視線を向ける。すると赤信号を無視したトラックが凄まじいエンジン音と共に親子に目掛けて勢いよく走ってくる。


このまま突っ込めばきっと怪我では済まない…。じらいちゃんがそれを助けようとしてることをすぐ理解して私も地面を蹴った。

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