おやゆびひめの日々 2

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「どうしたどうした？」
16「哲人さんが四球で出た。ツーアウトだけどランナー1塁です」

おいでおいでと手招きされたので、一緒に試合を見る。さすが国際試合に強い男、こんな場面でもしっかり出塁できる。

「あ、哲人走った！……よしセーフ！」

初球からすかさず走って見事盗塁成功。トリプルスリーは伊達じゃない。

75「えぇ感じやな」
「みたいですね。けど、翔平くんもしかしたら戻らないといけないかも」
75「どこまでや」
「悠平さんに回ったらですね」

翔平くんのブルペンーベンチ間の移動は本人ともある程度話してある。これでいける、と本人が言って、栗山監督が任せた以上、私はそれに従うのみ。もちろん状態とかは確認するけど、今のところ万全っぽいしね。

16「Aさん、源田さん出た」
「よし、ベンチ帰ろう」
16「うっす」

忙しないな、なんて笑う厚澤コーチに見送られながら、同じ道を通ってベンチへ戻る。翔平くんが居なくなってたことに気づいていない人も何人かいる中、一平さんがちゃんと出迎えてくれた。

「ただいまです」
「おかえり2人とも。Aは監督、翔平はこっちでデータ」
「わかりました」

翔平くんが一平さんと次のピッチャーについてデータ共有している間、私は監督と情報交換。とはいえ、向こうで投げたわけではないので、言えることは特にない。素直にそう言えば、うんうんと頷かれた。
それはあれですか、万事翔平に任せるから心配してないよ、の頷きですか。日ハム師弟コンビ難しすぎる。

そうこうしている内に悠平さんも四球で、満塁になったけど残念ながら既にツーアウト。ヌートバーの犠牲フライとしては完璧なフライで、この攻撃は終わりになった。

「うっ、回らなかった。戻ろうか」
16「はぁい」
「なんて気の抜けた返事なんだ」

再び翔平くんと一緒にブルペンへ。
多分これ、なんの意味があるんだとか言われてるんだろうなぁ。私にもわからないです、翔平くんだけが知っている。

7回のマウンドへ向かう大勢くんに、すれ違いざまに頑張れと声掛けをすれば、あまり緊張を感じさせない柔らかな笑みで返された。彼もなかなか大物だよねぇ。

「君にもあれくらいの愛想の良さがないわけ？」
16「非売品です」
「クソガキに効く薬ないのかな……」


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あの往復、本当に謎すぎて、解説席もみんな興味津々って感じでしたよね🤭 それでもしっかり仕上げてマウンドに上がるんだから、大谷選手は凄いですね……👏🏻

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