おやゆびひめの日々 2

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2人にタオルを渡して、シャワールームからロッカーへ戻れば、ちょうど牧くんが謎ダンスを踊っているところだった。おい、今、牧おもんないって言ったやつ誰だ、出てこい。

そう言って乗り込むか否かすこし迷ったところで、後ろからぽんと肩を叩かれた。

89「やぁ、Aちゃん」
「あら、監督、だいぶ掛けられてますね」
89「ほんとうにねぇ、Aちゃんも」
「えへへ、大分濡れました」
89「風邪ひかないようにね」
「はい、気をつけます」

ここで風邪ひいて開幕おじゃんとかつまらなさすぎる。あと多分そんなことをした日には琢朗さんに死ぬほど締められる、言葉で。

89「本当、今回は来てくれてありがとね」
「いえ、こちらこそ呼んでいただいてありがとうございました。前回は悔しかったので、今回こういう形で終われて本当によかったです」

牧ダンスの横で監督と握手ってなかなかカオスな光景だとは思うんだけど、まぁ監督が楽しそうだしいいか。
その流れで監督やコーチたちと少しだけ話していれば、ゴツいカメラを首から下げた優さんがやって来た。

「みなさ〜ん、お写真の時間で〜す」
「あら、じゃあ抜けますね」

写真に写る気はさらさらないので、スタッフが集まっている場所まで来れば、色んな人にびしょびしょだと笑われた。いや、これはですね、私が悪いんじゃなくてですね。

21「Aさん、写らないんですか？」
「写らないですねぇ」

だから何回も言ってるけど選手の集合写真に私いたらおかしいでしょ。優勝後のはスタッフみんな入ってたから写ったけど。
何故かちょっとしたブーイングが起こる中で、いつもならこれにすぐ便乗してくる翔平くんが、キョロキョロと周りを見回して不思議そうにしていた。

16「あれ？近藤さんとダルさんがいない」
「え！」
「あぁ、あの2人、シャワー浴びに行っちゃった」
「「えぇ！？」」

そういえば忘れてた。写真撮影とかあると思わなかったから、締めまでには戻ってくるでしょと思って普通にシャワー行かせちゃったよ。
慌てて、2人をシャワールームまで呼びに行けば、これまた2人も慌てた様子でシャワールームから出てきた。近ちゃん、さすがにタオル1枚はどうかと思うよ。

16「ちょっと！2人とも！」
8「悪い、いやでも寒くて寒くて。すぐ服着てくるわ」
11「あはは、ごめんね」
16「んも〜早くしてください」



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あと2話で終われると思います！ やっとWBCが終わる……嬉しいような、寂しいような……🫠

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