おやゆびひめの日々 3

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あの後はなんとかピシャリと抑えた康晃。まぁ裏の攻撃で打線も玉井くんの前にピシャリだったんですけどね。

そんな訳で、アナリストさんの「最低限」の試合結果になった今日。喜ぶべきなのかどうなのかよく分からないまま、坂本くんと一緒にダグアウトへ向かえば、みんなも絶妙に沈んでいた。
うん、そうだよね。優勝はほぼ確定だろうけど、本当なら今日スパッと決めちゃいたかったよね。

「ほらほら、クールダウンして、ミーティングする人はミーティング！下向いてないで、やることやってよ！」

そう言って手を叩けば、のそのそと動き始める選手たち。う〜ん、まぁ今日くらいは凹んでも仕方ないかな。

63「Aさん、マッサージお願いしてもいいですか？」
「もちろん。電気もやろうか」
63「あ、そっちもお願いします」
「はい。じゃあ、トレーナー室へどうぞ」

比較的テンションの波が小さい関根くんが、真っ先に切り替えて話しかけてくれた。
そうそうこれこれ、みんな見習って。今日でシーズン終わりじゃないからね。まだまだ続くんだからしっかりしないと。

63「あ〜、疲れました」
「ふふ、お疲れ様」
63「ん〜、最後惜しかったですね」
「ね、関根くんが出れて上手くいくかなぁと思ったけど」
63「他のところで駄目だったので反省です」

クールダウンを受けながら、セルフ反省会まで始めた関根くん。さすが、今シーズン初のお立ち台で選挙演説って言われただけあるね。頭の中を整理するのが上手いんだろうなぁ。

63「優勝出来るかなぁ……」
「できるできる。まぁこれで私含め、裏方のボーナスは発生がお預けになった訳ですが」
63「すみません……」
「いいよ、楽天さんが大差勝ちするかしないか次第だもんね」

まぁ私はボーナス出ようが出まいがどっちでもいいんだけど、昨日の時点で使い道決めてるメンバーも何人かいたからな。早すぎるでしょ、とは思ったけど。

そんなメンバーは今、しっかり影ができている。だから言ったんだよ、早いうちから皮算用しても凹むだけだよって。
ほら、今だって隣で森原くんのケアしてるトレーナーが変なこと言い始めたし。

「臨時ボーナス、明日か明後日か消滅か〜♪」
68「臨時ボーナスの歌……？」
「裏方の闇だね」



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あと1話！

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