[HQ] ペットじゃない 家族だよ

かぞく１４ ページ17

飲み物を取りに行った(人１)さん



目の前の獣人はさっきの大きな声で未だに怯えてる





英「…ねぇ」


？「、なに」


英「名前なんていうの？」


？「…京治」



京治、さん



英「さっきなんで(人１)さんの前では名前言わなかったの」


京治「…優しくされる人間ほど、怖いんだ」


英「(人１)さんは優しくないよ」


京治「えっ」


英「って言ったらどうする？」


京治「どういう、」


英「俺たちの立場だったらあんな人間に会うのないし
　 優しくされるなんて思いもしない

　 温かいお風呂に入れてもらって、温かいご飯ももらえて…本当は嬉しかったんじゃないの」


京治「そんなこと、ない」


英「嘘つき。さっき(人１)さんは優しくないって言ったとき悲しい顔したじゃん」


京治「っ」


英「俺も最近ここに来たばかりだけどこれだけは言えるよ

　(人１)さんはとても優しい」



俺だって最初はあの人の優しさが怖かった


だけど一緒にいるうちにあの人の優しさを心から感じる


この人はとても心が綺麗だ、と



京治「狼のキミから言われるとなんか説得力あるね」


英「そりゃあ狼は警戒心あるから

　でも(人１)さんだけはすぐに警戒心なくなったよ

　俺がそうだったんだから、京治さんが心配することないと思うけど」


京治「そうだね」



心なしか京治さんの顔が緩んだ


この人なら(人１)さんとも仲良くなれるだろう




京治「ところで、キミの名前は？」


英「英、これからよろしく京治さん」


京治「こちらこそ、」




そこに飲み物を持った(人１)さんが戻ってきた




「なんか話でもしたの？」


英「うん、この人京治さんって言うんだって」


京治「え、ちょ、」


「へぇ、いい名前じゃん！」




そう言われた京治さんはまた下に俯いた




英「(…真っ赤になってる)」

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