俺に拒否権をください 【国見英】

拒否権２ ページ2

今日も今日とて汚い言葉を言われる





『一般人の空気が混ざるんだけど』


『きたなーい！』




彼等を駒にしているのは国見英という男


クラスで一番の金持ちだ


張本人はｸｽｸｽと笑っている




「汚いのはお前らでしょ。お金持ちがそんな言葉使って下品だね」



その一言で皆が俺に反発する


先程まで笑っていた国見もその言葉で腹が立ったようだ



国見「お前何様。」


「あんたらが嫌う一般人だけど」


国見「勉強しか取り柄がないくせに。今時眼鏡と髪ﾎﾞｻﾎﾞｻとか流行んないよ」



その言葉でクラス中が俺を笑いものにするんだ



クラスの皆は国見の言いなり


クラスに一人はいる飛びぬけて金持ち


そいつがクラスのトップみたいな存在だ


長いものには巻かれろ、みたいな状況である




国見「いい加減にしないと…本気で痛みつけるよ」


「っ」





こんな学校、入学しなければよかった








　









＊



午前中の授業が終わった


今から約一時間ほど昼休憩


お腹も空いたのでご飯を食べようとしたとき




国見「藤村。」


「…なに」


国見「ちょっと、話あるんだけど



　 時間あるかな」




お前に拒否権なんてない、そういう言い回し



いいよ、それだけ言って国見に着いていく


連れてこられたのは空き教室



さすがに呼び出されたりするのは初めてなので不安が隠せない




ｸﾞｲっと腕を引っ張られて教室に投げ飛ばされる



激しく床に当たって派手に転んだ





国見「お前最近調子に乗りすぎ。うざいんだけど」



「本当のこと言われて腹たったんだね」



国見「そういうとこ、うざい」



俺に近付いてきたと思ったらお腹をかなりの強さで蹴られた


蹴られるのは初めてなので激しい痛みが俺のお腹を襲う



「いっ…った」


国見「あまり目立った行動は控えた方がいいよ？


　 今よりもっとひどいことするから」



「…っ、自分の意思通りに動いてなにが悪いの」


国見「一般人がしゃしゃんなっつってんの」


「金持ちだからって何でも許されると思うなよ」


国見「こいつっ」





やばい、余計怒らせてしまった

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