赤葦京治 × 体育館倉庫 ページ22
今日の梟谷学園高校男子バレー部は何かがおかしかった。
部活開始のチャイムが鳴り、いつも通りにアップをしていつも通りに練習メニューが始まった。一見いつもと何一つ変わりのない日常の一コマ。
しかし、なぜかチーム内の雰囲気というものがどこかぎこちない。というか、チームの全員がある1名の明らかな違和感を感じ取っていた。
その人物の名は、赤葦京治
クール
冷静沈着
木兎のフォロー役
とてつもなく頼もしい後輩
これは、私が彼に抱いていた印象で、おそらく他のメンバーもこれに近い印象を持っているのではないだろうか。
だが、今日の彼は違った。明らかに不機嫌で、素晴らしい威圧感があり、冷静沈着という言葉とは正反対だった。話しかけるなオーラ全開で、
「あ、赤葦・・・?」
「なんですか、木兎さん。」
「ひッ・・・!な、なんでもないです!!」
木兎が話しかけてもこの調子だ。このままではらちが明かないと判断した残りの3年生ズが、木兎を呼び出して原因を尋ねている。
「おい、赤葦に何したんだよお前。」
「お前の単細胞っぷりはもう慣れたけど、赤葦のあーいうのはさすがにどうしたらいいか分かんねーよ。」
「木兎、謝ってこい。」
「それが良いと思う。」
「お前ら、なんで俺のせいになってんだよ!俺、何もしてねーよ!!」
木葉、小見、猿杙、鷲尾と順番に責め立てられ、少々不機嫌モードの木兎さん。
「「お前以外にいないだろ。」」
「お前ら揃いも揃って俺をなんだと思ってんだよ!」
「「頼れるトラブルメーカー」」
「嬉しくねーよ!!!」
5人の息の合った漫才に呆れ顔なのはマネさんズ。
「あんたら、あんまり木兎いじめないでよ。しょぼくれモード発動したらどうすんのよ。」
「ほら、もう原因分かったからさ。」
あっち見て、と雪絵が指さした方向には
「「Aか…」」
手首を掴まれてある場所へ連れていかれているもう一人のマネージャーの姿。
すなわち、私に原因があったようで。
「Aさん、覚悟しといてください。」
ある部屋に入る前に確かに彼はこう言った。
そして、その場所とは
体育館倉庫
1035人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:和紗 | 作成日時:2016年5月22日 15時