作並浩輔 × 教室 ページ15
『昼休み、北校舎の２階の教室に来てください。』
今朝、下駄箱の中に入っていた差出人のない手紙。
登校してきて下駄箱を開けたら、この手紙が入っていたのだ。
「A、何それ？」
数少ない女の子の友達、みずきが私の手元を覗き込む。
「あら、ラブレター？それともこわーい呼び出し？？」
「やめてよ、私ほかの人から恨みをかう行動なんてしていないから！」
「どうだか(笑)」
「やめて、なんか怖くなってくる･･･」
まったく。人面白がるんじゃないよ。みずきさんよ。彼女から冷やかしを受け、少し怖くなった私だったけど、行かないという選択肢は皆無だったので、とりあえず昼休みに指定の場所へ向かうことにした。
そこにいたのは意外すぎる人物で。
「あれ、作くん？？」
「あ、っとAちゃん、来てくれたんだねっ！」
彼はクラスメイトの作並くん。何を隠そう私の想い人。もしかして、の可能性を感じ取り、少し頬が赤色に染まる。そんな私を見てポツリと彼が言葉を漏らした。
「うわ、かわい･･･」
なぜか彼と距離が近づいたなと思っていた矢先、目の前には作くんのかわいらしい顔のドアップ。そして･･･唇には柔らかい感覚。
「え…」
「ご、ごめん…かわいくて、つい･･･」
彼は意外にも体が先に動いてしまうタイプのようで。顔立ちだけじゃなくて行動も中身もかわいらしい彼にふふっと笑ってしまう。
「へ？なんで笑ってるの？」
「いや、作くんってやっぱり見た目も中身もかわいいなって。」
その言葉を聞いてポカンとした様子の彼。一瞬だけ斜め左下に目線をそらした作くんともう一度目があった時には、そこに息をのむほどの鋭い光が宿っていた。彼らしくない雰囲気に戸惑っていると、そのままぎゅっと抱きしめられて。
「好きな子には、かっこいいって思われたいんだよね。僕。」
「Aちゃんにかわいいって思われるのは、少し心外。だからさ、二度とかわいいなんて言えないようにしてあげる。」
いつものほわほわとした癒し系の雰囲気は影を潜めてしまったようだ。今の彼からは「かっこよさ」しか感じられない。心臓の音が彼に聞こえないようにとひたすら願う。
「僕と付き合ってくれない？絶対幸せにしてあげるから。こんな僕は嫌？」
ずるいよ。嫌なわけないじゃん。
「わ、私も好きです。いろんな作くん、私だけに見せてください」
【作並浩輔×教室】
(君は"特別"だから)
---星神魔夜様リク---
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作者名：和紗
| 作成日時：2016年5月22日 15時
