二口くんの反応 ページ12
二口くんが部活後に体育館の片づけをしていたので、終わるのを待っていました。
ちょっとした悪戯心が働いたため、狸寝入りをして彼の反応を見てみることにしました。
【検証】
「うぉいー寝てんじゃん。」
壁にもたれて寝ている私に、そう声をかけたのが二口君です。
「早く帰んぞ、家送ってけって茂庭さんに言われてんだから。」
ふっ、そんなこと言われても起きないぞ
と思っていた矢先･･･
「あ、いいこと思いついた。」
と意味深な一言。
彼は、ゴソゴソと何かを取り出しているようです。
「よし、動くなよ･･･」
その言葉のすぐあと、突然『カシャ』っという機械音が。
「いいもん手に入れたわ、これは。」
寝顔を撮られました
【まとめ】
・意外にもばれていません。
・ちゃんと彼も高校生らしい悪戯をするようです。
・あれですね。いじるためのネタ集めっすね。
【ネタばらし】
「二口くん、今すぐその写メを消してもらおうか。」
「あれ？A起きてたの？」
これを残しておかれてはたまりません。
目を開けて、私の目の前にしゃがんでいた彼の手首をつかみました。
「残念だけど、その願いは聞けないな。ほら、悔しかったら、奪い取ってみろよチビA」
「ちくしょーう！！」
私の手を振り払うと、そのまま立ち上がり、頭の横でスマホをヒラヒラさせる二口。ああ、なんとも性格が悪い。
私も立ち上がって、必死に彼からスマホを奪い取ろうと必死に手を伸ばしました。
「もう少しなのにーっ！…？！」
一瞬だけ指が目的の物に触れた瞬間、
なぜか、唇に感じたことのない柔らかい感触が。
「はい。お前のファーストいただき！」
「え・・・」
「これくらいはもらわないとねぇ。だって俺、騙されてたんしょ？」
いたずらっぽく、ニカッと笑う彼。
「なんで今のが、私のファーストって知ってるのよ」
「お前のキスを最初にもらうのは、俺って決まってたからさ。」
もう一度キスを落とされ、そのまま唇を親指でなぞられて…
「むしろ、俺以外の唇を経験させるつもりはないから」
ちょっぴり少年っぽくて、大人な彼に振り回されてみませんか？？
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作者名：和紗
| 作成日時：2016年4月19日 20時
