青城マネは喋れない!!【ハイキュー！！】 (ページ20)

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19言目ページ20

Aサイド

松川先輩と花巻先輩を体育館倉庫に押し込んで一息つく

こんな、唐突なお願いを二人にしたのは……

「おっはよーございま～す!!」

日芽香ちゃんが来るからだ

「あれれ～?準備終わってるじゃないですか～。……で?」

「どういうことだよ。昨日、腕使い物にならないようにしたよな?……反省足りてんの?」

……反省するって…何か反省すべきことがこちらにありましたかね?!

とりあえず、こくりと頷いておく

「……ふぅん。でもさぁ?あんた見てるとほんとむかつくのよねぇ。だーかーらー」

「おっしおきぃ～!!」

「……っ?!」

思い切り、怪我をしている方の腕を握りしめられた
衝撃で傷が開いてしまったのか、血がぽたぽたと垂れ、床に疎らな斑点模様を形作る

急激な痛みに思わず床にへたり込めば、やっと日芽香ちゃんは満足したようで

「ふふっ!!……じゃあ、今日も!!可愛い日芽香の裏方よろしくね」

扉から日芽香ちゃんが出ていく

ふぅ、と一息つけばバンッと物凄い音がして

「おい!!A大丈夫か?!……って血出てんじゃん!!……花っ!!」

「分かってる!!」

花巻先輩が部室にでも行くのか、走って外に出ていって
体育館に松川先輩と二人、取り残された

「……なんでっ!!」

整った顔を歪ませた松川先輩は凄く不細工で
思わず笑いそうになる

本当に良かった
傷つけられた手が左で

『先輩達に隠れていただいたのには二つほど理由があります』

床に落ちていたノートにペンを走らせる

『一つ目は、私自身の身の安全確保。日芽香ちゃんの言葉を借りれば、日芽香ちゃんの王子様である貴方達に手伝ってもらったとなれば、後から何をされるか分かりません』

『二つ目は、』

手を止める

……この理由は言うべきなのだろうか?
ちらりと松川先輩の顔を見上げれば、じっとこちらを見つめていて

……別に、いいか

『二つ目は、先輩方の身の安全の為ですよ』

「……は?」

先輩が漏らした驚愕の色を滲ませた母音は聞かなかったことにして書き続ける

『先輩方が私を手伝った、と知れば彼女はどうでるでしょうか?考えられるパターンを上げていけば、私に怒りの矛先が向くか、あるいは先輩方に危害を加えるのか、あるいは単純に暴れだすのか。どれにしろ、部の雰囲気が悪くなってしまうのは避けられ』

ふわり、と松川先輩の匂いに包まれる