最適解が分からない【wrwrd】

2つ目の解答 ページ4

Aサイド

頃合いを見て部屋を出る
流石に全ての書類を一度に持っていくのは出来なさそうだったので
重要度の高いものを選んだ

誰かに手伝ってもらうなんてことはしたくないしまず出来ない

無駄にだだっ広い城の中を誰にも合わないように遠回りをしながら着いたのは書記長室

少し躊躇うが渡さないと後々面倒だし、ここで誰かと鉢合わせなんてことになったら……
考えるのはもうやめよう

適当にノックをしたら律儀にも

「どうぞ。」

と、返事が返ってくる

その言葉に甘えて普通を装い入室する

「誰や……って、無能かよ。」

いつもこのくらいの時間に書類を提出しているというのにこの対応だ
まぁ、慣れているし興味もさらさらないのでさっさと渡してしまう

「…お願いします、位言うたらどうやねん」

舌打ちと共にそう吐き捨てたトントンの顔には色濃い疲労の跡があって

……またこの人は寝ていないのか
それに僕の声を聞いたら虫唾が走ると言っていたのはどの口なんだ

「……ここ、間違えとる」

相変わらず確認が早いな、なんて思いながらその言葉に内心首をかしげる
間違いは……ないはずだ
僕が見直したときには見つからなかったというのに

書類を受け取り、目を通すと真っ赤に染まった紙が数枚あって
あぁ、なるほどと納得した
……珍しく少しは書類をやってくれていると思ったら、これもいじめの一環か

頭の中に浮かんだ水色と黄色を消し去るため、軽く目を閉じてからここを立ち去る為にドアへ向かう


―――少しは寝てくださいね

この思いは胸の内にしまっておくことにした

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