父さんと呼べないで２ (ページ39)

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一時退院ページ39

翔side

和「まだー！目、開けてない？？」
翔「開けてないよw」

意識が戻ってから2週間が経ち、一時退院の許可が出た。

智くんの運転で家に戻ってきて、車を降りた瞬間から、眼を瞑るよう言われて和に手を引かれた。

和「はい、まだ動かないでよ」
静まり返った周りに少々不安を覚える。

「せーのっ、」

せーの？

「「翔ちゃん、一時退院、おめでとおおお！」」

パンッパンッ！

クラッカー音で咄嗟に目を開けた。

翔「……へっ、」

綺麗に飾り付けされたリビングには、"翔ちゃん一時退院おめでとう"の文字。
机の上には豪華な料理が沢山。

和「、大丈夫？」
翔「…凄い、」

みんなの顔を見る。

翔「…あっ」
雅紀くんで目線を止めた。

雅「すいません…どうしてもお祝いしたかったんです」
改まった表情の雅紀くんの頭を撫でた。

翔「どうしたの、そんなに改まって。…でも良かった、お礼言いたかったから」

フルフルと首を横に振られた。

雅「僕が和に守ってもらって、」
和が手を叩いた。

和「涙はそのへんに。始めよ！」

雅紀くんと顔を見合わせて笑った。

潤「みんな座ってー！チキン出るよ」
和・雅「やったーキチン！！」

こんなに豪華なのにまだ、出るのか。
通りでいい匂いがしてた訳だ。

智「翔、調子悪くなったら言っていいからね？」

今にも食べ出しそうな和と雅紀くんが大きく頷いている。

まあ、確かに本調子じゃなくて…
退院もこのタイミングしかないかもしれないと言われたから、根性で体調を維持した。

どんな状況であれ、今日は楽しむって決めたから。
存分に楽しむぞ！