父さんと呼べないで２ (ページ36)

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生きるページ36

翔side

久々に光を見た。

体は動かないから、目だけを動かす。
ただ、ぼんやりとしか見えない。

機械音や、キャスターの音、走る靴の音…

「っん…くんっ、」

だれ、…

「翔くんっ、分かる？」

翔「……ぁ、、さみ、、せ、…せ」
しっかりと見えた。

浅見先生の横には、智も潤もいた。

あれ…？

智「和は今日学校だよ。テストがあるんだって」
潤「後でちゃんと連絡入れておくよ」

そっか…

智「和、ずっと翔が目を覚ますの待ってたんだよ。きっと、翔が起きたって知ったら飛んで来ると思う」

翔「…おこっ、てた？」
潤「むしろ心配してるよwだから、早く元気な姿見せてあげて」

良かった…

翔「まだ、傷つけてたら、…どうしようかと、思った」

夢の中で何度も俺を呼ぶ声が聞こえた。

誰の声かわからなかったけど……

智「翔、辛くなったらすぐ教えてね」
翔「…うん、分かった」

正直、この世には二度と戻ってこれない気がしていたから、頭が付いてこないけど。

なぜだろう…凄く安心した。

生きることの幸せさを痛いほどに感じた。